BMWの新型EV『iX』、Appleと共同開発の「デジタルキー・プラス」初採用へ…2021年後半に発売

iPhoneの電池残量が低下してもデジタルキーは最大5時間機能

BMW デジタルキー・プラスでは「リレーアタック」が不可能に

1回の充電での航続は600km以上

BMW iX の「BMW デジタルキー・プラス」のイメージ
BMW iX の「BMW デジタルキー・プラス」のイメージ全 16 枚

BMWは1月13日、2021年後半に発売予定の新型EV『iX』に、「BMW デジタルキー・プラス」を初採用すると発表した。

写真:BMW iX

BMWは2020年7月生産車から、Apple の「iPhone」を完全なデジタルキーとして使用できる「BMWデジタルキー」を導入した。BMWがiPhoneをデジタルキーとして利用する最初の自動車メーカーになったという。

iPhone用のデジタルキーを使えば、iPhoneまたはApple Watchで車両のロックを安全に解除し、エンジンをかけることができる。デジタルキーはメッセージを使って簡単に共有できるほか、デバイスを紛失してしまった場合でも、「iCloud」から無効にできる。これは「NFC(近距離無線通信規格)」による機能だ。

iPhoneの電池残量が低下してもデジタルキーは最大5時間機能

iPhone用のBMWデジタルキーでは、iPhoneの画面をタップして、スマートフォンをドアハンドルに近づければ、車両のロックを解除できる。そして、iPhoneを室内の専用トレイに置いて、車両のスタートボタンを押せば、エンジンが始動できる。

デジタルキーのセットアップは、BMWスマートフォンアプリから行える。車両の所有者は、若いドライバー向けに、最高速度やパワー、オーディオ音量などを制限する設定を行うことも可能だ。オプションとして、最大5人の友人とアクセスを共有することもできる。アクセスの管理は、車内や「Apple Wallet」から行うことが可能だ。

BMWのデジタルキーには、多くの新機能が導入されている。例えば、iPhoneのセキュアエレメント内のストレージ、Apple Walletからのアクセスをはじめ、iPhoneのバッテリー残量が低下しても、車両のキーが最大5時間機能するパワーリザーブ機能、「iMessage」経由で最大5人の友人とアクセスを共有できる機能、Apple Watchとの連携がある。

パワーリザーブ機能は、スマートフォンのOS(オペレーティングシステム)とは別に動作するセキュリティチップを搭載することで可能になった。スマートフォンのバッテリー容量がほとんどなく、スマートフォンが起動できない場合でも、デジタルキーを作動させることができるという。

BMW デジタルキー・プラスでは「リレーアタック」が不可能に

BMW デジタルキー・プラスは、このBMWデジタルキーの進化版だ。Appleは、空間認識のための超広帯域無線(UWB)テクノロジーに基づいた次世代のデジタルキーを、2021年に実用化する。これは、U1チップによって実現するもので、ポケットやバッグからiPhoneを取り出さなくても、ロックを解除できるようになる。

BMW デジタルキー・プラスは、Apple と共同開発されており、iPhoneのU1チップに搭載されているUWBテクノロジーに基づいている。これは、可能な限り最高のセキュリティを備えた非常に正確なローカリゼーションを特長とする短距離、高帯域幅のデジタル無線技術であり、UWBによって、無線信号が妨害または傍受される「リレーアタック」が不可能になるという。AppleとBMWは、CCC(カー・コネクティビティ・コンソーシアム)と緊密に協力して、UWBの「デジタルキー・バージョン3.0」を確立し、自動車業界にグローバルスタンダードを提供していく。

BMWは2018年以来、スマートフォンをデジタルキーとして使用することを可能にしており、iPhoneユーザーが利用できるBMWデジタルキーの機能の開発と普及を推進している。この目標に沿って、BMW デジタルキー・プラスを発表したという。

1回の充電での航続は600km以上

BMWの新世代EVのiXには、第5世代の「BMW eDrive」テクノロジーが搭載される。2基のモーターは、最大出力500ps以上を引き出す。0~100km/h加速は5秒以下。複合電力消費は、21kWh/100km未満(WLTP試験サイクル)とした。

高電圧バッテリーは、蓄電容量が100kWh以上と大容量で、1回の充電で600km以上の航続(WLTP試験サイクル)を可能にする。

高圧および最先端の充電テクノロジーにより、性能が長距離走行に最適化された、と自負する。出力200kWまでのDC急速充電によって、バッテリー容量の最大80%を40分で充電できる。10分の急速充電で、航続を120km延ばすことも可能にしている。

《森脇稔》

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