ルノーの新ブランド「モビライズ」、都市向け新型EV発表…カーシェア用

モビリティやエネルギーサービスに特化した新ブランドが「モビライズ」

1分から数年の単位で利用できるモビリティソリューション

AIソフトウェアによって効率的な配車を予測

乗車定員2名のコンパクトEVは全長2300mm

ルノー・モビライズ EZ-1 のプロトタイプ
ルノー・モビライズ EZ-1 のプロトタイプ全 15 枚
ルノーグループは1月14日、新たな戦略的経営計画の「ルノーリューション」のデジタルプレゼンテーションにおいて、ルノー『モビライズEZ-1』(Renault Mobilize EZ-1)のプロトタイプを初公開した。

◆モビリティやエネルギーサービスに特化した新ブランドが「モビライズ」

モビライズは、ルノーグループに設けられたに4つの新しいビジネスユニットのひとつだ。モビリティ、エネルギー、データ関連のサービスを、他のブランドやパートナーに提供する。

モビライズは、より持続可能でシェアリングモビリティを導入したい顧客を対象にしている。ルノーグループのカーボンニュートラルの目標に沿って、新しいニーズに対応し、持続可能なエネルギーシステムを促進する。

現在、自動車は90%の時間、駐車場などに置かれた状態になっている。モビライズは、自動車の使用時間とコストのギャップを埋めることを目指す。また、新車の価値が登録から3年後に50%以上に下がらないように、残存価値を高めていく。さまざまなパートナーと協力して、環境への影響を減らしながら、人とモノの移動を簡素化、持続可能、アクセスしやすくすることで、自動車の使用時間を最大化することを目標にしている。

◆1分から数年の単位で利用できるモビリティソリューション

モビライズは、顧客、企業、地方自治体の期待に適応した人と商品のための柔軟なモビリティサービスを届ける。現実の問題に対処し、従来の自動車所有モデルを補完するシームレスなソリューションを提供していく。

さらに、ヨーロッパで6000を超えるルノーの販売ネットワークを活用して、モビライズは都市や町で、1分から数年の単位で利用できるモビリティソリューションを提供できるようになるという。

車両の設計と生産、EVのリーダーシップにおけるルノーグループの専門知識を活用する。専任のエンジニアリングや設計チームからのノウハウを動員し、目的に合わせて設計されたさまざまな車両を提案する。カーシェアリング、ライドヘイリング、ラストマイルデリバリー、オンデマンドトランジットなどの新しいモビリティニーズを満たすという。

◆AIソフトウェアによって効率的な配車を予測

各種データやAI(人工知能)ソフトウェアプラットフォームによって、効率的な配車を予測する。これにより、自動車の使用率を少なくとも20%向上させることを目指している。

車両のライフサイクル終了後は、リサイクルサービスによって処理される。EVのバッテリーが劣化した場合には、それらをリサイクルし、静止エネルギー源としてのセカンドライフを可能にする。モビライズはバッテリー寿命の管理において、ルノーグループの豊富なEVの専門知識を活用していく。

EVの利便性をさらに高めるために、EVの普及を促進するソリューションを導入する。顧客は、公共の充電ポイントを簡単に見つけて、ヨーロッパ全体において、単一のソリューションで料金を支払える「充電パス」を使用する。電動車の顧客は、モビライズの子会社を通じて、ヨーロッパ全体の充電インフラストラクチャーに簡単にアクセスできるようにする。

◆乗車定員2名のコンパクトEVは全長2300mm

モビライズEZ-1 のプロトタイプは、モビライズブランドを象徴するEVだ。カーシェアリングのために設計された新しい都市モビリティソリューションになる。ユーザーは、走行時間や走行距離に応じて、利用した分だけ料金を支払う。最新のコネクティビティを導入。キーレスアクセスが装備されており、スマートフォンを使って、車両のロックとロック解除を行う。

プロトタイプは、乗車定員2名のコンパクトなEVだ。全長は2300mmで、路上占有面積は最小限に抑えられた。窓ガラスだけでなく、サイドドアもガラス製となっており、ユーザーは良好な視界を確保できるという。

革新的なバッテリー交換システムも採用している。従来の充電インフラストラクチャに代わるこのシステムは、車両をノンストップで使用できることを意味するという。また、モビライズEZ-1 のプロトタイプに使用されている素材の50%は、リサイクルされたもの、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツ、全固体電池搭載『EQS』で1205km無充電走行を達成
  2. アイシンが明かす、トランスミッションの膨大な経験値とノウハウが電動化を主導する理由
  3. 「めっちゃカッコよくない?」無限仕様の新型『プレリュード』が話題に、SNSではホイールにも「たまらない」の声
  4. 日産フェアレディZ、「ヘリテージエディション」が米国で登場…1990年代の「300ZX」がモチーフ
  5. 「いかついフェイスに驚いた」メルセデスベンツ『GLC』新型の内外装に反響!「スクリーンでかすぎる」の声も
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る