日産 キャシュカイ 新型、欧州初の「e-POWER」設定 2022年発売

モーターは最大出力190psを発生

走行モードは3種類

「e-ペダル」によってワンペダル運転を可能に

日産 キャシュカイ 新型のプロトタイプ
日産 キャシュカイ 新型のプロトタイプ全 13 枚

日産自動車の欧州部門は1月15日、現在開発を進めている新型『キャシュカイ』(Nissan Qashqai)に、欧州初の「e-POWER」を設定し、2022年に発売すると発表した。

現行キャシュカイは、日本では一時期『デュアリス』として販売されていたSUVのモデルチェンジ版だ。日本市場では、デュアリスは『エクストレイル』に統合されたため、現行キャシュカイは日本市場には導入されていない。

2007年に登場した初代キャシュカイは、累計200万台以上を生産するヒット作となった。現行キャシュカイは、欧州小型クロスオーバー車のセグメントリーダーとしての地位を、さらに強固にすることを目指して、2013年11月に発表された。エクストレイルと、その兄弟車の『ローグ』に続いて、ルノー日産アライアンスが開発したモジュラープラットホーム、「CMF」を採用している。

エクストレイル同様、現行キャシュカイには日産のブランドアイデンティティを表現したフロントマスクを採用した。逞しいデザイン、セグメントをリードする先進技術、高品質なインテリアなどを導入している。

モーターは最大出力190psを発生

このキャシュカイの新型には、欧州初のe-POWERが設定され、2022年に発売される予定だ。新型キャシュカイのe-POWERシステムは、高出力バッテリーとパワートレインで構成される。

e-POWERの特長は、ガソリンエンジンが発電のためだけに使用され、駆動は電気モーターによって行う点にある。これによって、エンジンは常に最適な範囲内で作動し、従来の内燃エンジンと比較して優れた燃費と低いCO2排出量を実現しているという。

新型キャシュカイの場合、e-POWERシステムのモーターは、最大出力190psを発生する。発電専用のガソリンエンジンには、可変圧縮比テクノロジーが導入され、最大出力157psを引き出す。e-POWERシステムには、ガソリンエンジン、発電機、インバーター、電気モーターが一体設計されている。充電は必要ない。

走行モードは3種類

新型キャシュカイのe-POWERには、「スタンダード」、「スポーツ」、「エコ」の3種類の走行モードがある。スタンダードでは、優れた加速を生み出し、回生ブレーキが従来のガソリン車のエンジンブレーキのように作動する。スポーツモードでは、エンジンが休止する時間を少なくして、加速のレスポンスを高める。エコモードでは、バッテリーマネジメントを最適化し、高速道路など低負荷走行時には惰性走行することで、燃料を節約する。

すべてのモードで、「Bモード」が選択できる。これにより、アクセルオフ時のエネルギー回収量が増加し、ブレーキペダルを使用せずに効率的に減速することができる。

e-POWERを搭載した新型キャシュカイは、ライバルハイブリッド車よりも速く加速するだけでなく、より低いエンジン回転数で加速する、と自負する。このシステムは、フルEVのように静かに作動し、エンジン回転数と速度がリンクすることに重点を置いているため、加速時でも高いレベルの静粛性が得られるという。

「e-ペダル」によってワンペダル運転を可能に

EVの『リーフ』と同様に、新型キャシュカイのe-POWER搭載車では、「e-ペダル」モードと呼ばれる新しい「ワンペダル」運転を可能にしている。ドライバーはアクセルペダルのみを使用して始動、加速、減速することができる。走行シーンの最大90%をカバーすることが可能という。

ストップ&ゴーが多い都市部の運転条件では、e-ペダルモードは、アクセルペダルから足を離すと、最大0.2Gの減速Gが得られる。アクセルペダルとブレーキペダルを踏み替える必要性を大幅に減らし、運転がより簡単でリラックスできるようになるという。

駐車時にはeペダルを最適化するために、クリープ現象が得られるようになっており、ブレーキペダルを使用して、車両を停止する必要がある。ワインディングロードでは、コーナリング中にブレーキを踏む機会を減らしてくれる。

またドライバーは、ダッシュボードの12インチTFTメーターで、e-POWERのエネルギーフローをモニターし、システムの状態を確認できる、としている。

《森脇稔》

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