【スバル レヴォーグ 新型試乗】3度目の試乗で見せた「本性」…九島辰也

3度目の試乗で見せた本性

スバルが求めた理想の乗り味

言うなれば、まさにヨーロッパ車テイスト

スバル レヴォーグ STI Sport
スバル レヴォーグ STI Sport全 9 枚

3度目の試乗で見せた本性

スバルは昨年新型『レヴォーグ』のメディア向け試乗会を3回行っている。一度目は城里の日本自動車研究所テストコースで「アイサイトX」をメインに開催された。そして二度目は千葉にある袖ヶ浦フォレストレースウェイ。そこでは当然走りに焦点を合わせた試乗となる。

事実そこでの試乗記を読み返すと、クイックで安定感のある2ピニオン電動パワーステアリングとSTI Sportの「スポーツ+」について多くを語っていた。そりゃそうだろう。サーキット走行でそこに言及するは至極当たり前のことだ。

だが、3回目となる一般道でのテストドライブではこれまでとは違うクルマの本性を見ることができた。それは「コンフォート」モードの秀逸さ。このクルマの醍醐味は実はそこだったのである。

スバルが求めた理想の乗り味

スバル レヴォーグ STI Sportスバル レヴォーグ STI Sport
サーキット走行のレポートでも記述したが、新型レヴォーグにはドイツのZF社をサプライヤーにした油圧制御の可変ダンパーが搭載される。開発陣と実験部の担当者が何度もドイツへ足を運び採用に漕ぎ着けた。ZF社に丸投げではなく、スバルが理想とする乗り心地を求めての共同開発だ。

結果サーキット試乗でも体感できたようにかなりアグレッシブなテイストの「スポーツ」や「スポーツ+」モードを手に入れた。今回の一般道試乗でもワインディングでの走りは楽しいし、高速道路での追い越し加速もスムーズな動きを見せてくれる。

ただ、スバルの「STI」のイメージからするとそれは想定内とも言えなくない。硬めのサスペンションでコーナリングパフォーマンスを高めるのは得意分野である。

言うなれば、まさにヨーロッパ車テイスト

スバル レヴォーグ STI Sportスバル レヴォーグ STI Sport
それに対し「コンフォート」はいい意味で想像を裏切る仕上がりとなった。キャビンをフラットに保ちながらの走行は実に気持ちがいい。サスペンションを柔らかくし、路面の凹凸をバネ下で吸収するような動きは今までのスバル車にはないフィーリングだ。言うなれば、まさにヨーロッパ車テイスト。秀逸なドイツ車の足と同等である。

これには正直かなり驚いた。路面状態のいい道でもそうだが、アスファルトが欠けていたりして雨水が溜まりそうな場所でもキャビンが揺さぶれることなく気持ちよく走れるのだ。こんな日本車これまで経験したことがない。これなら長年ドイツ車を愛用していた人の乗り換えにも不満は出てこないだろう。

ということで、新型レヴォーグの購入を考えているのであれば断然「STI Sport」をおすすめする。この切り替え可能なドライブモードがあればロングドライブは疲れないだろうし、リアシートからもクレームは一切ないはず。もしかしたらクルマに酔いやすい人にもいいかもしれない。

いずれにせよ、このサスペンションは文句なしの出来栄え。今後のスバルラインナップへの波及や展開が期待される技術である。

スバル レヴォーグ STI Sportスバル レヴォーグ STI Sport

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

《九島辰也》

九島辰也

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

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