【WRCラリーモンテカルロ】アルピーヌ A110S が公式コースカーに、F1ドライバーが運転予定

専用仕上げの内外装

最大出力はプラス40psの292psに

足回りを専用チューン

1973年のWRC初戦を制したアルピーヌ1800

アルピーヌ A110S
アルピーヌ A110S全 20 枚

アルピーヌは1月20日、『A110S』(Alpine A110S)が1月21日、2021年のWRC(世界ラリー選手権)開幕戦の「ラリーモンテカルロ」の公式VIPコースカーとして、F1ドライバーのエステバン・オコン選手が2つのステージを走行すると発表した。

A110Sは、アルピーヌ『A110』をベースに開発された高性能モデル。パワフルなエンジンに強化された足回りを組み合わせ、ミッドシップスポーツカーとしてのキャラクターを、いっそう鮮明にしているのが特徴だ。

専用仕上げの内外装

エクステリアは、カーボンファイバー製のリアピラーのフラッグ、オレンジのブレーキキャリパー、ダークフィニッシュ仕上げの「GTレース」ホイールなどが特徴的。専用のマット仕上げの「Gris Tonnerre」塗装もオプションで選択できる。

室内では、オレンジのステッチが青いステッチに代わって装備される。ルーフライニング、サンバイザー、ドアトリムには、ブラックの「ディナミカ」素材で仕上げる。サベルト製シートにも同じ素材を使用しており、重量は1脚13.1kgとした。ステアリングホイールは、0時の部分にオレンジ色のマーカーを追加したレザー&ディナミカ仕様だ。ペダルとフットレストは軽量のアルミ製。キャビンには、カーボンファイバーとオレンジ色の旗のエンブレムが配されている。

ベース車両のA110には、1.8リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載する。最大出力は252ps、最大トルクは32.6kgmを引き出し、後輪を駆動する。車両重量は1080kgと軽量で、パワーウエイトレシオは4.3kg/psとした。トランスミッションは、ゲトラグ製の7速デュアルクラッチだ。A110は、0~100km/h加速4.5秒、最高速250km/h(リミッター作動)の性能を備えている。

最大出力はプラス40psの292psに

これに対して、A110Sでは、1.8リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンを、さらなる高性能化を求めてチューニングした。ターボチャージャーのブースト圧は、より高いパフォーマンスを実現するために、0.4バールに引き上げた。その結果、最大出力はプラス40psの292ps/6400rpmを獲得する。最大トルクは32.6kgmと変わらないが、2000~6400rpmの幅広い領域で、発生し続ける特性とした。

車両重量が1114kg。トランスミッションはゲトラグ製の7速デュアルクラッチだ。動力性能は、0~100km/h加速を4.4秒で駆け抜け、最高速は260km/hに到達する。

足回りを専用チューン

サスペンションのセットアップ、スタビリティコントロールの設定、ホイールのデザイン、タイヤの構造やコンパウンドなど、専用チューニングの足回りを採用する。

ベース車両のA110と同じく、軽量でコンパクトなアルミボディ構造が基本だ。専用チューニングの足回りは、より明確にダイナミックなキャラクターを与えているという。新設計のスプリングはレートが50%硬く、ダンパーはそれに応じて調整された。スタビライザーは、重量を最小限に抑えるために中空構造とし、硬さは2倍の設定としている。また、車高が4mmダウンしたことにより、車の重心が最適化された。高速安定性とステアリングレスポンスを引き上げている。

新デザインのホイールには、ミシュランの「パイロットスポーツ4」タイヤを組み合わせる。タイヤサイズはフロントが215/40R18、リアが245/40R18。このタイヤは、特殊な構造とコンパウンドにより、優れたグリップを実現しているという。

ESCシステムは、とくにトラックモードで、安定性を引き上げるチューニングを施した。ESCシステムは、カットオフすることができる。大容量ブレーキは、ブレンボ製キャリパーを標準装備する。直径320mmのバイマテリアルディスクもオプションで選択できる。アルピーヌ 1800(1973年のWRCラリーモンテカルロ)アルピーヌ 1800(1973年のWRCラリーモンテカルロ)

1973年のWRC初戦を制したアルピーヌ1800

このアルピーヌA110Sが1月21日、2021年のWRC開幕戦のラリーモンテカルロの公式コースカーとして、F1ドライバーのエステバン・オコン選手が2つのステージを走行する。同選手は、サンディディエからコープスまでの20.58kmのSS1、サンモーリスとサンボネットのSS2を、本レースの70分前にアルピーヌA110Sで走行する予定だ。

アルピーヌとラリーモンテカルロの関係は深い。1973年、世界各地で開催されていたラリーレースがFIA(国際自動車連盟)の下に一本化され、ラリー競技の世界最高峰を決めるWRCが開始された。その開幕戦となったラリーモンテカルロを激走の末に、26秒差で制したのは、ジャン=クロード・アンドリュー選手が駆るアルピーヌ『1800』だった。

アルピーヌA110Sで2つのステージを走行するエステバン・オコン選手は、「これは素晴らしい機会で、ラリーモンテカルロを初めて体験するのが待ちきれない。伝説的なイベントのラリーモンテカルロで、アルピーヌA110Sを運転するのを楽しみにしている」と語っている。オコン選手オコン選手

《森脇稔》

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