無人タクシーはいつ実現される?…オートモーティブワールド2021

ティアフォー(オートモーティブワールド)
ティアフォー(オートモーティブワールド)全 7 枚

2020年に、トヨタ『JAPAN TAXI』をベース車両に利用した無人タクシーの実証実験が愛知県と東京都で行われた。その車両がオートモーティブワールドに展示されている。

【画像全7枚】

既存車両を最小限の改造で自動運転タクシーを実現するため、車両のルーフにはLiDARの土台となるキャリアが搭載され、ボディ周辺にも無数のカメラが取り付けられている。字度運転のための制御装置はリアのトランクスペースに収納されているが、後席はそのままの状態だ。

プロトタイプとのことでトランク内や運転席の撮影はNGだったが、教習車のように助手席にもフットブレーキがあり、センターコンソールには赤い緊急停止ボタンがいつでも押せるように配置されていた。しかし、カメラやLiDARなどの後付け部品は黒のボディデザインに合わせられており、実際のサービスを見据えた車両開発であることが窺える。

愛知県や東京都の実証実験は、損保ジャパン、アイサンテクノロジー、ティアフォーらが中心となって行ったものだ。KDDIやドコモといった通信事業者も5Gの応用事例として協力している。自動運転技術開発の中心を担うのがティアフォーだ。同社はグローバルでも自動運転技術の先端を行く企業だ。制御装置の小型化・低消費電力化・コストなどの課題(LiDARだけでも6台搭載している)は残るが、同社の自動運転カーは、都内湾岸エリアで実地走行試験を繰り返している。

ブース担当者に、無人タクシーの営業走行はいつごろ可能なのかを聞いてみた。あくまで個人の意見と念押しの上「政府方針では2025年までに実現というマイルストーンがあるので、それまでには可能ではないか。技術的な課題より社会的な課題のほうが難しい。まずはエリア限定かつ無人ではなくドライバー乗務でのサービスからだろう。」と語ってくれた。

無人カーや自動運転というと、社会的な受容レベルがまだ低く、メーカーも事故時の責任問題や風評リスクからレベル2自動運転(ドライバーが運転責任を持つ)の延長でしか技術開発が進んでいない。ドライブレコーダー(いわゆる「ドラレコ」ではない航空機のフライトレコーダー相当)の義務化、それを検証する第三者機関、PL法の整備など、ドライバー・メーカーの双方の負担を最適化する取り組みが不可欠だ。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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