ハマー EV、オフロード電動SUVレース参戦…4月開幕の「エクストリームE」

1回の充電での航続は最大563km

オフロード向けの「エクストリーム・オフロード・パッケージ」

ハマーEVベースのオフロードレーシングカーを開発

GMC ハマー EV ベースのオフロード電動SUVレースシリーズ「エクストリームE」参戦車両
GMC ハマー EV ベースのオフロード電動SUVレースシリーズ「エクストリームE」参戦車両全 10 枚

GMのGMCブランドは1月26日、『ハマーEV』(GMC HUMMER EV)が、オフロード電動SUVレースシリーズの「エクストリームE」に参戦すると発表した。

およそ10年ぶりに復活したハマーは、GMCブランドのEVピックアップトラックとして登場した。ハマーEVは、パワフルなEVパワートレインを搭載する高性能ピックアップトラックだ。

ハマーEVは、米国ミシガン州デトロイトのハムトラムク工場を改修したEV専用工場、「ファクトリーゼロ」において、2021年後半から生産が開始される予定だ。ファクトリーゼロは、GMのマルチブランドEV戦略の出発点になる工場で、GMはファクトリーゼロへの改修に22億ドルを投資し、EVだけを量産する工場に変更する。

1回の充電での航続は最大563km

ハマーEVには、3モーター+4WDの「e4WD」システムを搭載する。このシステムは、トルクベクタリング機能を備えており、最大出力1000hp、最大トルク1590kgmを獲得する。0~96km/h加速は、およそ3秒の性能を可能にしているという。

ハマーEVは、GMの新世代EVパワートレインの「アルティウム・ドライブ」をベースにしている。中でも、「アルティウム・バッテリー」は、大容量のパウチ型セルをバッテリーパック内で垂直にも水平にも積み重ねることができる方式を採用した。これにより、エンジニアは各車両のデザインに応じて、バッテリーの蓄電容量やレイアウトを最適化することができるという。

アルティウム・バッテリーの蓄電容量は、50~200kWhと幅広い。ハマーEVの場合、航続はフル充電で最大563kmを想定している。バッテリーの充電は、800ボルトのDC急速充電に対応する。出力350kWのDC急速充電ステーションでも充電することができる。

オフロード向けの「エクストリーム・オフロード・パッケージ」

オフロード向けの「エクストリーム・オフロード・パッケージ」には、18インチホイール、35インチのグッドイヤー「ラングラー・テリトリーMT」タイヤ、アンダーボディアーマー、ロックスライダー、アンダーボディカメラがセットされている。

「インフィニティルーフ」は、取り外し可能な透明なスカイパネルで、車両の前部の「フランク」(トランク)スペースに収納できる。パワーリアドロップガラスとパワートノカバー、「MultiPro」テールゲート、13.4インチのインフォテインメントスクリーンと12.3インチのドライバーインフォメーションセンターディスプレイが装備されている。

ハマーEVには、「クラブウォーク」と呼ばれるモードが用意される。カニは英語で「クラブ」。クラブウォーク(カニ歩き)は、4輪ステアリングシステムによって、最小回転半径を短くする技術となる。セグメントをリードする「エクストラクトモード」を備えたアダプティブエアサスペンションも、オプションで選択できる。

ハマーEVベースのオフロードレーシングカーを開発

このハマーEVがオフロード電動SUVレースシリーズのエクストリームEに参戦する。エクストリームEシリーズは、「フォーミュラE」を立ち上げた団体によって創設された。電動SUVだけで競うエクストリームEの特長は、絶滅危惧種の生息地のすぐ近くにレース会場を選んでいることだ。レーシングシリーズの目的は、世界中のモータースポーツファンだけでなく、開催地の政治家、地域社会、当局にも気候変動に目を向けさせることであり、地球温暖化を1.5度に抑えるための取り組みをさらに強化することにあるという。エクストリーム Eシリーズは2021年4月、サウジアラビアのアルウラで開幕する予定だ。

GMCは、米国に本拠を置く「チップガナッシレーシング」と複数年契約を結び、エクストリームEに参戦する。チップガナッシレーシングは、「インディカー・シリーズ」、「NASCARカップシリーズ」、「IMSA ウェザーテック・スポーツカー選手権」に参戦中で、「インディ500」を4度制するなど、225以上の勝利を達成している。

チップガナッシレーシングが持つ豊富なノウハウを、エクストリームEに投入する。ハマーEVベースのオフロードレーシングカーを開発しており、専用ボディやグリル、グラフィックスが特長だ。エクストリームEのレギュレーションにより、最大出力は550hpに抑えられる、としている。

《森脇稔》

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