首都高速 日本橋区間地下化、本格的に始動---事業の概要

日本橋川上空を通る首都高速(日本橋付近)
日本橋川上空を通る首都高速(日本橋付近)全 26 枚

首都高速道路株式会社は、首都高速道路日本橋区間地下化事業の実施にあたり、2021年5月10日午前0時に、都心環状線・呉服橋出入口、江戸橋出入口を廃止する。通行は9日限りとなる。事業では、現在日本橋付近で日本橋川上空を通る都心環状線を、日本橋川水底のさらに下を通るように地下化する。

日本橋川上空の首都高速道路は、東京都心部の渋滞解消のために、東京オリンピック開催を翌年に控えた1963年に開通した。それ以来半世紀以上が経過し、現在この区間は、1日あたり約10万台の自動車が走行する過酷な使用状況にある。構造物の損傷は激しく、 更新が必要となっている。

いっぽう日本橋川周辺は、国家戦略特区の都市再生プロジェクトに位置付けられ、多くの再開発計画が立ち上がり、新しいまちづくりが始まろうとしている。首都高速道路株式会社では道路として利用する範囲を立体的に定める「立体道路制度」を活用し、建物の地下にもトンネルを整備する計画だ。

地下化事業は、これらのまちづくりと一体となって取り組み、地下化と合わせて構造物の更新を行なう。それにより、日本橋川周辺の景観や環境の改善が図られることになる。江戸橋JCT。低い位置の高架が都心環状線。この辺がトンネル出入口で、地下区間は左手になる。江戸橋JCT。低い位置の高架が都心環状線。この辺がトンネル出入口で、地下区間は左手になる。

地下化事業については2020年3月に国交省が事業許可、2020年4月に東京都が事業認可を行なった。現在「地下化に向けて」の「PHASE 01」=第1期が進行中で、地下埋設物の移設や、出入口撤去工事を行なう。完成までのスケジュールは、2035年にトンネルが開通し、2040年までに現高架橋が撤去されて「日本橋川に青空を」回復する予定だ。

地下化事業では、神田橋JCT~江戸橋JCT間を地下ルートで整備する。西側では、既存の八重洲線の接続部を都心環状線の本線として活用、地下に潜る。八重洲線とは一石橋の地下で分岐する。地下の環状線は日本橋の下で日本橋川右岸から左岸へ移る。江戸橋JCTの下、日本橋川左岸付近にトンネルの東側出口が設けられ、江戸橋JCT東側で6号線に接続する。

地下ルートの開通後は江戸橋JCTの環状線接続部(呉服橋~宝町)が廃止され、この方向の利用は八重洲線に転換される。また現在の環状線高架にある呉服橋出入口、江戸橋出入口、八重洲線工事区間にある常盤橋出入口(すでに閉鎖中)は廃止される。

河川内の工事では日本橋川の水位を下げる必要があり、橋脚を撤去して水位を下げる。そのため呉服橋出入口・江戸橋出入口を先行して廃止し、これらの橋脚を撤去する。地下化に向けて橋脚を撤去地下化に向けて橋脚を撤去

●呉服橋入口の代替入口
都心環状線(外回り)方面へは神田橋(外回り)、箱崎、浜町など
向島線(下り)方面へは宝町(内回り)、神田橋(外回り)、箱崎、浜町など
●呉服橋出口の代替出口
都心環状線(内回り)方面から神田橋(内回り)、箱崎、浜町など
向島線(上り)方面からは箱崎、浜町、宝町(外回り)、神田橋(内回り)など

●江戸橋入口の代替入口
都心環状線(内回り)方面へは神田橋(内回り)、宝町(内回り)、箱崎、浜町など
池袋線(下り)方面へは神田橋(内回り)、宝町(内回り)、箱崎、浜町など
●江戸橋出口の代替出口
都心環状線(外回り)方面からは神田橋(外回り)、宝町(外回り)、箱崎、浜町など
池袋線(上り)方面からは一ツ橋(上り)、神田橋(外回り)、宝町(外回り)、箱崎、浜町など

《高木啓》

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