仕切り直しの北陸新幹線敦賀延伸、加賀トンネルに懸念材料…2023年度末開業を目指し進捗するが

敦賀延伸延期の要因のひとつとなった北陸新幹線加賀トンネル。写真は北陸本線の直下に位置する中工区金沢方切羽での工事の様子。
敦賀延伸延期の要因のひとつとなった北陸新幹線加賀トンネル。写真は北陸本線の直下に位置する中工区金沢方切羽での工事の様子。全 4 枚写真をすべて見る

北陸新幹線敦賀延伸の建設主体である鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は2月3日、国土交通省が1月22日に開いた「金沢・敦賀間工程・事業費管理連絡会議」の内容を公表した。

この会議は、2020年に北陸新幹線金沢~敦賀間における工事の不調不落や、事業費の金額が徐々に増す「増嵩(ぞうすう)」により、開業時期が当初予定の2022年度末より1年ほど先送りされることになったことを受けて、国土交通省、鉄道・運輸機構、JR西日本のほか、沿線自治体とも、工事の進捗や事業費の執行状況、発生しているリスク要因などの情報をより緊密に共有すべく設置された。

初会合となった今回の会議では、全体的に2023年度末を開業目標として各工区の工期を設定し、一部の工区を除いて設定どおりに作業が進捗していることが報告された。

最も遅れているとされていた敦賀駅工区については、降雪の影響や、高架橋の基礎部分へコンクリートを流し込む「コンクリート打設」という作業の工程変更があったものの、全体工程への影響はないとされている。きわめて危険な工事とされている「R4」と呼ばれる高架橋についても、2020年11月に設置された「北陸新幹線の工程・事業費管理に関する検証委員会」の中間報告書における計画工程より1カ月半ほど作業が先行しているという。

一方、「クラック」と呼ばれるひび割れなどで工事の不調不落が続いていた、加賀温泉~芦原温泉(あわらおんせん)間の加賀トンネル(5.463km)については、掘削した底面が、より下にある地下水の上向き圧力により持ち上げられる「盤ぶくれ」という対策について言及。1月12日時点で固定ボルトの打ち込みが全体の約53%で終了しているとされているが、現在実施している鉄道・運輸機構の調査によると、クラック箇所が拡大しているという。これについては、調査結果に基づき「トンネル施工技術委員会」で早急の追加対策などを検討するとしている。

懸念されていた大雪については、およそ半数の工区で1~9日程度の作業中断が発生。また、3工区で新型コロナウイルスの感染が発生したものの、影響は最大2週間程度の作業中断に留まり、いずれも全体工程に影響はないとされている。

この「金沢・敦賀間工程・事業費管理連絡会議」は、今後、年3~4回程度、対面またはリモート形式で開かれ、連絡会議が開かれる月を除いた毎月、報告の実効性を確保するための下部会合である幹事会を開催するとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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