アウディ『e-tron GT』、2月9日発表…最新工場からのティザー[動画]

ドイツ国内で初めて生産されるアウディのEVに

完全にカーボンニュートラルな方法で生産

最先端のアルミ加工技術で生み出される「クワトロブリスター」

紙製のステッカーの替わりに電子ラベルを採用

アウディ e-tron GT のプロトタイプ
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アウディは2月4日、2月9日にデジタルワールドプレミアする新型EVスポーツカー、『e-tron GT』(Audi e-tron GT)のティザー映像を公開した。フォーミュラEドライバーのルーカス・ディ・グラッシ選手が、アウディの最新工場で生産されるe-tron GTを紹介している。

アウディは2018年秋、ロサンゼルスモーターショー2018において、『e-tron GTコンセプト』を初公開した。e-tron GTは、同車の市販モデルだ。アウディ『e-tron』、アウディ『e-tronスポーツバック』に続くアウディ第3のEVで、4ドアのEVスポーツカーとなる。

ドイツ国内で初めて生産されるアウディのEVに

生産は、ドイツ・ネッカーズルムのベーリンガーホフ工場で行われる。この工場で採用される製造プロセスは、e-tron GTと同様に、非常にユニークという。アウディの歴史において、市販車の生産準備がこれほど短期間で整ったことはない、と自負する。

ベーリンガーホフ工場では2014年から、アウディのフラッグシップスポーツカー、『R8』を組み立てている。ネッカーズルム拠点の中にあるベーリンガーホフ工場は、スポーツカーを熟練工が手作業で生産する場所。e-tron GTの生産に向け、2019年に拡張とアップグレードを受け、設備も一新された。アウディ史上最もパワフルで最速の2つの量産モデルのR8とe-tron GTが、この工場で生産される。

ネッカーズルムの拠点では、すでにプラグインハイブリッド車(PHV)の生産に焦点を当てており、『A6』、『A7スポーツバック』、『A8』のPHVとマイルドハイブリッドバージョンにより、アウディの生産拠点の中でも電動化モデルの割合が最も高くなっている。ベーリンガーホフ工場で組み立てられるe-tron GTは、ドイツ国内で初めて生産されるアウディのEVになる。

完全にカーボンニュートラルな方法で生産

ベーリンガーホフの生産プロセス全体が、完全にカーボンニュートラルだ。2020年の初めに、ネッカーズルムの生産拠点全体が使用する電力は、すべてグリーン電力に切り替えられた。バイオガスを燃料とする熱電併給プラントは、ベーリンガーホフ工場が車両の生産に必要な熱を供給する。再生可能なエネルギー源の使用に伴って、避けられないCO2の排出は、認証を受けた気候保護プロジェクトのカーボンクレジットを使用して相殺される。

ベーリンガーホフ工場は、ドイツ国内のアウディ生産拠点として初めて、製造工程の完全なカーボンニュートラル化に成功した。これはネッカーズルム拠点にとって重要なマイルストーンであり、アウディが2025年までに全世界で、カーボンニュートラル化を達成するという道のりにおける重要なステップになるという。

最先端のアルミ加工技術で生み出される「クワトロブリスター」

生産拠点において、重要な資源は節約され、原材料も現場でリサイクルされている。そのひとつの例が、「アルミニウムクローズドループ」だ。ネッカーズルムの拠点において、e-tron GTのサイドウォールフレーム製造の際にプレスショップから出るアルミ製シートの端材を再利用する。このサイドウォールフレームは、絞り加工の最高点と最低点の差が350mmあり、それによってホイールアーチのショルダー部分に、「クワトロブリスター」と呼ばれる特長的で力強い造形が生み出される。この困難なプロセスを実現するために、最先端のアルミ加工技術が採用されているという。

アルミニウムクローズドループにより、切断後のアルミ製シート端材はサプライヤーに戻され、リサイクルされてアウディが再び使用する。これにより、ネッカーズルムの拠点において、年間数千トンのCO2排出量が削減されている。

紙製のステッカーの替わりに電子ラベルを採用

また、ボディショップと組立ラインでは、ほとんど紙を使用することはない。従来の書面による記録の必要性をなくしたメンテナンスアプリなどの新しいプロジェクトも、紙の節約に貢献している。ロジスティクスの面では、デジタルラベルがテストされており、これが実現すれば、さらに紙の必要性が少なくなる。

棚のパーツコンテナには、紙製のステッカーの替わりに電子ラベルが採用されるようになる。電子ラベルは、エネルギー効率が高いだけでなく、変更があった場合に簡単に再プログラムすることもできる。これは、従来の使い捨てラベルに比べて重要な利点になるという。アウディのプロジェクトチームは、サプライヤーと共同で、梱包材の体系的なスリム化と廃棄物の削減につながるソリューション開発にも取り組んでいる。

《森脇稔》

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