【F1】王者ルイス・ハミルトン、既定路線だった今季のメルセデス残留が正式決定…通算100勝まであと5つ

ルイス・ハミルトン(2020年シーズン)
ルイス・ハミルトン(2020年シーズン)全 5 枚

2月8日、2020年F1世界チャンピオンのルイス・ハミルトンが今季2021年もメルセデス(メルセデス-AMG ペトロナスF1チーム)に留まって戦うことが正式発表された。残留は既定路線だったが、契約が遅れていたもの。ハミルトンは目下95勝で、今季中の100勝到達が期待される。

ハミルトンの今季メルセデス残留に関しては、昨年末の時点で今季の暫定エントリーリストにその名があったことや、これまでの本人および陣営周辺の言動等から疑う余地はまったくなかったが、契約の成立が遅れていた。チームを率いるトト・ウォルフ代表は、「2020年が(コロナ禍によって)通常とは極めて異なるシーズンだったため、(契約更新への)プロセスを完了するのに時間がかかった」とコメントしている。

ハミルトンと陣営、双方のコメントからは、両者が単にF1で共闘するのみならず、その関係性を一層広げていくために契約内容の整備に時間を要した、そんな雰囲気も見て取れるところだ。

メルセデスは昨季のマシンカラーをブラックにするなど、昨今、ハミルトンを中心にF1や社会全体の多様性向上を目指した取り組みを強化してきた。それをさらに発展させるための両者の関係継続でもあり、今回の契約発表ではそうした活動に寄与する財団の発足についても言及している。

もちろん、契約が遅れた理由は他にも様々あるのだろうが、ともあれ、これで今季もメルセデスがハミルトンとバルテリ・ボッタスのコンビで戦うことが“完全決定”した。このコンビは5シーズン目となる。ハミルトンは2013年から9年連続のメルセデス所属で、2007年のF1デビュ-以降、彼は全レースをメルセデス製のエンジン/パワーユニットで戦っている(07~12年はマクラーレン所属)。

ハミルトンは「メルセデスの仲間たちと9年目のシーズンに突入することに興奮しているよ。我々のチームは素晴らしいことを成し遂げてきた。コース内外で改善を重ねながら、さらなる成功を積み上げていくことを楽しみにしている」とコメントしている。

英国出身、1985年生まれのハミルトンはこの1月で36歳になった。F1通算95勝は歴代最多記録であり、100勝到達にはカウントダウン「5」。彼のシーズン勝利数の水準を考えれば、コロナ禍で極端にレース数が減少したりしない限り、今季中の達成が充分に期待できる数字だ(同じく歴代最多のポールポジション獲得回数は目下98で、やはり100の大台が間近)。

また、ハミルトンは昨季、4年連続のドライバーズタイトル獲得を果たし、通算7冠目獲得となってミハエル・シューマッハの最多記録に並んでいる。今季も戴冠なら単独最多の8冠だ。その場合は5連覇達成であり、ドライバーの5連覇はミハエル以来2人目、歴代最長タイ記録となる。

メルセデスはチーム(コンストラクター)として2014年からドライバー、コンストラクターの両部門タイトルを7連覇中。いずれも歴代単独最長の連覇となっており、今季も8年連続の2冠独占、記録更新を目指す(ドライバーズチャンピオンは14~15、17~20年がハミルトン、16年はニコ・ロズベルグ。なお、ハミルトンはマクラーレン時代の08年に個人初戴冠を果たしている)。

2021年のF1世界選手権シリーズは、現段階では3月28日決勝のバーレーンGPにて開幕予定。なお、3月12~14日には開幕地バーレーン国際サーキットでのプレシーズンテストも予定されている。

《遠藤俊幸》

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