新連載[カーオーディオ ブランド名鑑2021]フォーカル…総合ブランド、スピーカーに強み

フォーカル『Utopia M』シリーズ。
フォーカル『Utopia M』シリーズ。全 3 枚

あまたある世界のカーオーディオブランドの中から特に注目したいメーカーをクローズアップし、その魅力や製品ラインナップを紹介している当シリーズ。第3回目となる当回では、フランスの名門“フォーカル”をフィーチャーする。

トップエンドとして君臨するのは、逸品『Utopia Be ULTIMA』!

“フォーカル”は、パワーアンプやプロセッサーも擁する総合ブランドであるが、特にスピーカーに強みを発揮するメーカーだ。実際、その社史はスピーカー製作から始まっている。設立されたのは1979年。同社はまず、オーディオメーカーにスピーカーを供給するOEM専業メーカーとしてその歴史をスタートさせた。そしてその中で技術を磨き、それをベースに次々と革新的なスピーカーを世に送り出し続けてきた。

結果同社は、今ではホーム用・カー用問わず超ハイエンドモデルからエントリー機まで、幅広く銘品・良品をラインナップしている。

では、日本にて発売されているカー用スピーカーのラインナップを上級機から順を追って紹介していこう。

まずはこちら、トップエンドとして君臨する『Utopia Be ULTIMA(ユートピア ビー ウルティマ)』から。当機は、インバーテッドドーム方式が採用された75mmピュアベリリウム・ドームツイーター、Power Flowerマルチマグネットテクノロジーが用いられた165mmミッドウーファー、そしてプロ用スタジオモニター“SM9”と共通する200mmサブウーファー、これら1ペアずつが1パッケージされている製品だ。で、そのプライスはなんと200万円(税抜)。価格も実力も、正真正銘のスーパーハイグレードスピーカーとなっている。“フォーカル”を象徴するにふさわしい、同社の技術の粋が凝縮された一品だ。

実のところ、そのサウンドクオリティは格別だ。ディストリビューター及び専門店が製作した当機を搭載するデモカーがいくつか存在しているので、もしもそれらの音を確認できる機会に遭遇したならば、そのチャンスを逃すことのなきように。その音に触れるだけでも、人生の貴重な経験になることは間違いない。

フォーカル『Utopia Be ULTIMA』。

特許技術「Mインバーテッド振動板」が採用された上級機『Utopia M』シリーズがそれに続く!

そしてそれに続くのが、2018年の秋に発売された『Utopia M』シリーズだ。なお当シリーズは2ndラインではあるものの、『Utopia Be ULTIMA』がシンボリックなスペシャル品であるので、実質的にはこちらが旗艦シリーズと言って良い。

さて、当シリーズには同社の特許技術である「Mインバーテッド振動板」が、単品(ペア、または1ピース)発売されている5機種のスピーカーユニットすべてに投入されている。普通、ツイーター以外のスピーカーユニットにはコーン形状をした振動板が使われることが多いが、当シリーズではいずれにも「M型断面」を持つ特殊な振動板がおごられているのだ。またツイーターには、『Utopia Be ULTIMA』と同様にピュアベリリウムが使われている。ゆえにこれら5種類のスピーカーユニットは、究極的なフラットレスポンスと優れた指向特性とを獲得できている。

なお当シリーズには、それら5機種に投影された技術的特徴を継承するリーズナブルな2ウェイスピーカーキット『165W-XP』(税抜価格:16万5000円)も顔を揃えている。より手軽に“フォーカル”の旗艦機を手にしたいと思ったら、当機にもぜひご注目を。

で、これに続くのが“フォーカル”の顔ともいうべき人気ライン、『K2 Power』シリーズだ。ちなみに当シリーズが9年ぶりにフルモデルチェンジされて登場したのは2016年の3月だ。なおこのときに当シリーズは、従来モデルと比べての著しい進化を遂げている。FOCAL Car Audio誕生当時からのアイデンティティというべき黄色のアラミド系振動板が採用されているのだが、それ以外のほとんどの箇所がリニューアルされたのだ。登場当時、そのことが大きく話題となった。そして当シリーズはそれ以降、“フォーカル”の新たな看板モデルとして強い存在感を発揮し続けてきた。

フォーカル『ES 165 KX2』。

『K2 Power』シリーズはコスパも抜群! また車種専用モデルも豊富に展開!

なお『K2 Power』シリーズは、ラインナップが多彩であることも特長としている。コアキシャルモデルも1つ有し、2ウェイコンポーネントキットはサイズとグレード違いで計5機種用意されていて、その上で3ウェイキットが1機種、そしてサブウーファーが口径を変えて2機種存在する。また当シリーズはコストパフォーマンスが高いことでもお馴染みだ。2ウェイキットの最上位機種『ES 165 KX2』でも11万円(税抜)で手にできる。

さらに“フォーカル”はこれに続き、振動板にフランス特産の「麻」を使用した『FLAX EVO(フラックス エボ)』シリーズを持ち、その下に高い取り付け性能を発揮する『カスタムフィット』シリーズも取り揃えている。

また“フォーカル”は、車種専用モデルも充実させている。特に、トヨタ車用、BMW用のモデルを多々擁し、それらに加えて、日本におけるディストリビューター“ビーウィズ”によって特別に仕立てられたBMW用とメルセデス-ベンツ用のキットも、数機種発売されている。

これらスペシャルキットでは、取り付けに必要となるインナーバッフルや、さらには対応車種専用にチューンされたパッシブクロスオーバーネットワークも同梱されているので、対応車種で確実に良好なパフォーマンスを発揮する。BMW、MINI、そしてメルセデス-ベンツオーナーは、これらのチェックもお忘れなく。

もしも“フォーカル”のスピーカーならではの美麗で豊潤なサウンドに興味があれば、お近くの取扱ショップまで足を運び、デモカーや試聴機でそのサウンドを確認してみよう。上級者からエントリーユーザーまで、それぞにぴったりな一品が見つかるはずだ。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

ブランド名鑑・2021 第3回「フォーカル」編

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
  3. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  4. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  5. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
ランキングをもっと見る