キャデラック最強「ブラックウィング」、量産第一号車をオークションに 3月米国開催

3.6リットルV6ツインターボと6.2リットルV8スーパーチャージャー

クラスでは珍しい6速MTが標準で10速ATはオプション

0-96km/h加速は3.7-3.8秒で最高速は304-322km/h

キャデラック CT4-V ブラックウィング と CT5-V ブラックウィング
キャデラック CT4-V ブラックウィング と CT5-V ブラックウィング全 22 枚

オークション大手のバレット・ジャクソンは2月11日、キャデラックの高性能モデル、『CT4-Vブラックウィング』と『CT5-Vブラックウィング』の量産第一号車が3月、米国で開催されるオークションにチャリティ目的で出品されると発表した。

両車は、「キャデラックレーシング」の血統を受け継ぐスーパースポーツセダンを標榜する「Vシリーズ」のさらなる高性能バージョン、「ブラックウィング」の最初のモデルだ。キャデラックはブラックウィングで、メルセデスAMGやBMW、アウディRSに対抗していく。

3.6リットルV6ツインターボと6.2リットルV8スーパーチャージャー

3.6リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。制御システムソフトウェアと吸気システムのチューニングにより、最大出力472hp、最大トルク61.5kgmを獲得する。ベース車両の『CT4-V』に対して、パワーは152hp、トルクは10.5kgm引き上げられた。

チタンアルミニド製の低慣性タービンホイールは、あらゆる回転域で、より正確かつ応答性の高いトルクを発揮する、と自負する。ターボチャージャーのコンプレッサーは、サーキット性能を求めて、ピークパワー時の効率を重視した。チタン製のコネクティングロッドと改良されたクランクシャフトカウンターウェイトにより、メイン/ロッドベアリングの往復負荷も軽減しているという。ピストンの底にエンジンオイルを送るピストンオイル噴出システムも採用された。マニホールド一体設計の冷却システムは、より迅速なトルクレスポンスを追求するためのもの。吸気効率は従来型の『ATS-V』と比較して、39%引き上げられているという。

一方、CT5-Vブラックウィングの6.2リットルV型8気筒ガソリンスーパーチャージャーエンジンは、吸気効率の引き上げと改良された排気システムによって、最大出力668hp、最大トルク91.1kgmを獲得する。これまでで最も強力な量産キャデラック車になるという。このエンジンは、米国ケンタッキー州のGMのボウリンググリーン工場において、手作業で組み立てられ、エンジンビルダーの署名入りプレートが付く。

このV8エンジンには、コンパクトで高出力のイートン製スーパーチャージャーを組み合わせた。小径ローターを備えているため、エンジンが低回転域でも、瞬時のレスポンスを可能にしているという。新開発のアルミ製シリンダーヘッドは、従来のアルミ製ヘッドよりも強度が高く、熱処理性能を向上させた。軽量チタン製インテークバルブも採用された。オイルセパレーターとドレンバックを備えたサーキット対応のウェットサンプ潤滑システムを搭載する。エンジンの吸気効率は、従来型の『CTS-V』と比較して、46%向上しているという。

クラスでは珍しい6速MTが標準で10速ATはオプション

トランスミッションは、このクラスでは珍しい6速MTを標準とし、10速ATをオプションとした。「TREMEC」と呼ばれる6速MTには、高トルク容量と優れたペダルフィーリングを可能にする「LuK」のツインディスククラッチを採用する。コンソールのスイッチを押すとアクティブレブマッチングが作動し、シフトダウン時にエンジン回転数を自動的に合わせてくれる。

ノーリフトシフトにより、ドライバーはアクセルペダルを離さずに、シフトチェンジできる。CT4-Vブラックウィングでは、ターボを稼働したままにしておくことができるため、ラップタイムが速くなるという。サーキット向けのパフォーマンス冷却システムも搭載している。

この6速MTは、人間工学に配慮して、クラッチペダルとブレーキペダルの位置を最適化した。油圧マスターシリンダーストップではなく、クラッチペダルのバリアストップにより、クラッチ操作中のドライバーへのフィードバックを向上させている。より正確なシフトを可能にするために、従来の6速MTよりもショートストローク化も図られた。

10速ATは、マニュアルモードを選ぶと、ステアリングホイールのマグネシウム製パドルシフトでギアチェンジが行える。スポーツモードでは、ダイナミクスを維持しながら、シフトチェンジをできるだけ抑え、パフォーマンスを向上させるためにトランスミッションを調整する。24時間連続のサーキットテストによって、専用のオイルパンやバルブの変更など、サーキット向けの改良が行われた。10速の各ギアは、シフトチェンジを予測しながら、エンジンを最適な回転数に保つ。

ダイナミックパフォーマンスモードは、ブラックウィング専用にチューニングされた。サーキットを重視したシフトパターンとなり、スポーツモードやトラックモードで高いGが発生すると、自動的に作動する。補助ポンプは、車両のドアが開いた時から10速ATを始動させ、低温時のシフト性能を向上させる。

0-96km/h加速は3.7-3.8秒で最高速は304-322km/h

CT4-Vブラックウィングのパフォーマンスは、0~96km/h加速が3.8秒(10速AT)で、最高速は304km/hに到達する。サブコンパクトクラスで最もパワフルで最速のキャデラックになるという。

また、CT5-Vブラックウィングの動力性能は、0~96km/h加速が3.7秒(10速AT)。最高速は322km/hに到達する。キャデラック史上、最も強力なモデルになるという。

このCT4-VブラックウィングとCT5-Vブラックウィングの量産第一号車が3月20~27日、米国アリゾナ州スコッツデールのウェストワールドで開催される「スコッツデールオークション」に、チャリティ目的で出品される。なお、落札価格の全額が、黒人やラテン系の起業家を支援する非営利団体の「Black Ambition」に寄付される、としている。

《森脇稔》

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