【F1】マクラーレン・メルセデスが“復活”、今季型「MCL35M」を発表

マクラーレンがメルセデスPU搭載の2021年型マシン「MCL35M」を発表。
マクラーレンがメルセデスPU搭載の2021年型マシン「MCL35M」を発表。全 12 枚

15日、F1に参戦するマクラーレンは2021年型マシン「MCL35M」を発表した。今季から搭載パワーユニットがメルセデスにかわっており、2014年以来の「マクラーレン・メルセデス」復活となっている。

マクラーレンは1995年から2014年まで、実に20シーズンもの長きに渡ってメルセデスのエンジン/パワーユニット(PU)を搭載してF1を戦っていた。チーム(コンストラクター)名とエンジン/PU名が異なる場合、「・」の前にチーム名、後ろにエンジン/PU名という表記(呼称)になるのが日本では普遍的であり、かつての「ウイリアムズ・ルノー」や現在の「レッドブル・ホンダ」などがよく知られる。そして今季、「マクラーレン・メルセデス」が7年ぶりに復活だ。

(*ちなみにレッドブルはホンダが今季限りで参戦を終了したのち、来季2022年からは“元ホンダPU”を自製PUとして使用することになったが、自製PUの名称がシンプルにレッドブルだった場合、フェラーリやメルセデス同様に「・」使用の表記はされなくなり、レッドブルという単独表記の一択になるだろう)

往年のマクラーレン・メルセデスは、速さと強さの象徴であった。マクラーレン・メルセデスとしてのタイトル歴は、ドライバーズチャンピオン輩出が1998、1999、2008年の3回(98年と99年はミカ・ハッキネン、08年はルイス・ハミルトン)、コンストラクターズチャンピオンも1回(1998年)獲得しているが、これらの数字には少ないくらいのイメージを抱くところではないだろうか。

マクラーレン・メルセデスというワードが、実績以上に速い、強いというインパクト性を有していたことは間違いない。それくらいマクラーレン・メルセデスは活躍印象度が高く、つまりF1のドラマの中心にいた。そのマクラーレン・メルセデスの名が今季、再び世に出る。最近はホンダ勢以外、PU名まで記されないケースも多いとはいえ、注目に値する復活だ。

近年のマクラーレンは2015~17年がホンダPU搭載で、2018~20年がルノーPU搭載。今季2021年からメルセデスPUに切りかわることは、2019年の段階で決まっていた。

マクラーレンは今季の新車発表一番乗り。コロナ禍の影響で、今季型F1マシンに関しては多くの部分で昨季型からのキャリーオーバーを基本とするルールが敷かれている。発表されたマクラーレンの2021年型マシンの名称は2020年型MCL35から数字を動かさず、末尾に「M」をつけた格好になっているが、搭載PU変更は大きな事情であり、それに付随して(ルール等の範囲内で)変更した箇所は少なくないとも見られている(なお、他陣営にはマシン名称の数字を進めるところもあれば、進めずに「B」をつけるところもある模様)。

昨季のマクラーレン・ルノーは、メルセデスとレッドブル・ホンダに次ぐコンストラクターズランキング3位。年間トップ3の座はマクラーレンにとって2012年以来8年ぶりと久々で、確かな復調を感じさせもした。メルセデスPUを得た今季は、2012年の最終戦を最後に遠ざかっているレースでの勝利、その実現を期待したい。

マクラーレン・メルセデスの復活初年度を担うレースドライバーは、ルノー(現アルピーヌ)から移籍のダニエル・リカルドと、ルーキーイヤーからチームに在籍し3年目になるランド・ノリス。かつてレッドブル所属時代に通算7勝の実績を誇るベテランのリカルドと、成長著しい若手気鋭のノリスという魅力的なコンビが、マクラーレン・メルセデスの“真なる復活”を目指す。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 史上最強のVW『ゴルフGTI』、6月20日デビューを予告
  4. 宮崎「シーガイア」にサーキットがオープン! セグウェイの「電動ゴーカート」を日本初導入
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る