春闘2021…交渉スタート、自動車メーカーのベアは非公表・要求見送りに

トヨタ自動車元町工場
トヨタ自動車元町工場全 3 枚

自動車メーカーの2021年春闘は2月17日に一斉に労組から要求が提出された。コロナ禍で業績の先行きが不透明ななか、要求ではベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分を非公表としたり、要求を見送るなど春闘自体も混沌とした幕開けとなった。

トヨタ自動車の賃上げ要求は組合員平均9200円で、昨年の要求額を900円下回り、妥結額に対しては600円上回った。ベアについては要求に含まれるかは明らかにしていない。サプライヤーなど業界内での格差拡大に配慮したもので、19年、20年の交渉ではベアは要求するものの、金額は公表しなかった。

今春闘では、存在も含めて公表せず、さらに踏み込んだ交渉としている。こうしたトヨタの動きに同調するようにスズキ、SUBARU(スバル)、日産自動車もベアの存在を非公表とした。日産にはベアの仕組みはすでにないが、同業他社の参考になるよう、これまでは「ベア相当額」を示していた。

労組側も、かつては自動車総連がベアの統一要求額を掲げるのが恒例だったものの、ベアをめぐる環境変化もあり、19年から今年まで3年連続で統一要求は見送っている。

今春闘ではこのほか、ホンダ、マツダ、三菱自動車工業がいずれも8年ぶりにベアの要求を見送った。ボーナスの年間一時金についてはトヨタが昨年の要求だった6.5か月分(回答は満額)を0.5カ月分下回る6.0か月の要求とした。ホンダも昨年の要求である6.0か月(回答は5.95か月)を下回る5.3カ月と、業績を反映して一時金も厳しい交渉となる。労組側は集中回答日を3月17日に設定しており、労使は1か月間の交渉に臨む。

《池原照雄》

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