メルセデスベンツ EQC にベースモデル、EV購入者に対するインセンティブに対応…欧州発表

ドイツ本国での価格は5000ユーロ以上引き下げ

ベースモデルでも電動パワートレインに変更なし

新世代のインフォテインメントシステム「MBUX」

メルセデスベンツ EQC(欧州仕様)
メルセデスベンツ EQC(欧州仕様)全 9 枚

メルセデスベンツは2月17日、ブランド初の市販EVの『EQC』(Mercedes-Benz EQC)の欧州仕様車に、ベースモデルを設定すると発表した。

「メルセデスEQ」は、メルセデスベンツが立ち上げた電動車に特化したサブブランドだ。メルセデスEQブランドの最初の市販車として登場したEVが、SUVのEQCとなる。

EQCは電動SUVで、ボディサイズは、全長4761mm、全幅1884mm、全高1623mm、ホイールベース2873mmだ。マルチビームLEDヘッドライトが組み込まれたフロントマスクには、メルセデスベンツの新世代電動ブランドのアイデンティティを表現している。

ドイツ本国での価格は5000ユーロ以上引き下げ

このEQCに今回、欧州でベースモデルが設定された。ドイツ本国での価格は、6万6068ユーロから。従来のEQCのドイツ価格の 7万1281ユーロからに対して、一部装備を見直すことにより、5000ユーロ以上引き下げられた。

税込みで6万6068ユーロの価格設定は、ドイツのEV購入者に対するインセンティブに対応したものだ。ドイツでは税抜き6万5000ユーロ以下のEVに対して、政府からの5000ユーロの環境ボーナスが支給される。これに、メルセデスベンツからの2500ユーロの補助金も追加されて、インセンティブの総額は7500ユーロとなり、EVを購入するユーザーを支援していく。

ベースモデルでも電動パワートレインに変更なし

ベースモデルでも、電動パワートレインに変更はない。モーターは前後に2個搭載し、4輪を駆動する4WDの「4MATIC」になる。2個のモーターは、合計で最大出力408hp、最大トルク77.5kgmを引き出す。前後アクスル間で走行状況に応じて、トルク配分を行う。動力性能は、0~100km/h加速を5.1秒で駆け抜ける。最高速はリミッターによって、180km/hに制限される。

バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は80kWhと大容量だ。重量は652kgで、車体中央の低い場所にレイアウトされる。1回の充電での航続は、欧州仕様車の場合、最大462kmとした。

出力11kWの水冷式車載充電器が採用される。これにより、交流(AC)充電の時間が大幅に短縮されるという。出力11kWの強力な車載充電器により、EQCは自宅のウォールボックスや公共の充電ステーションで、迅速な交流(AC)充電を可能にした。EQCの蓄電容量80kWhバッテリーを、7時間30分で充電できる。

直流(DC)充電ステーションでは、さらに短時間で充電できる。「Mercedes me Charge」を通じて、顧客は世界最大の充電ネットワークを利用できる。このネットワークには現在、世界26か国に35万を超えるACおよびDC充電ポイントを擁する。1回の登録で国境を越えても、多くの充電ステーションに簡単にアクセスできる。スマートフォン向けの「メルセデスミー」アプリを介して、顧客は充電料金を調べることも可能だ。

新世代のインフォテインメントシステム「MBUX」

2つの高精細ワイドディスプレイを設定する。この10.25インチの2つのディスプレイを一枚のガラスカバーで融合したコックピットディスプレイとした。

このディスプレイは、空中に浮かんでいるように見え、インテリアデザインの水平方向の流れを強調する中心要素になるものだ。インストゥルメントクラスターとなるこのコックピットディスプレイは、ドライバーの視野に直接入るさまざまな情報を表示する大型ディスプレイと、センターコンソール上方のセンターディスプレイで構成されている。

新世代のインフォテインメントシステム「MBUX」を装備する。MBUXとは、メルセデスベンツ・ユーザー・エクスペリエンスの略だ。MBUXでは、AI(人工知能)を導入した音声認識アシスタントを採用する。ユーザーが「ハイ、メルセデス」と呼びかけるだけで、音声認識アシスタントが起動し、ユーザーの求めるさまざまなサービスを提供してくれる。

EQC向けのMBUXは専用設計となっており、航続、充電状況、エネルギーフローなどの各種情報を表示する。ナビゲーション、運転モード、充電、出発時間なども、MBUXによって制御や設定が行える。

《森脇稔》

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