ホンダは2月19日の取締役会で、八郷隆弘社長(61)が取締役になり、後任に本田技術研究所の社長を兼務する三部敏宏専務(59)を昇格させるトップ人事を内定した。ともに4月1日に就任する。
6月の株主総会後の取締役会で三部氏は取締役代表執行役社長に就き、八郷氏は退任する。ホンダの社長交代は6年ぶりで、この間、八郷社長は拡大路線の修正に伴う内外工場の閉鎖や、開発体制の見直しなど広範な事業再構築策を断行した。また、同社の長期の指針である「2030年ビジョン」も策定した。
三部氏は1987年の入社で、エンジンなどパワートレイン開発を長く担当し、米ゼネラルモーターズ(GM)との提携強化の交渉も担った。19年には本田技術研究所の社長にも就き、かねて八郷氏の後任の最有力と目されていた。大阪府出身で、広島大学大学院修了後に入社し14年に執行役員、18年常務執行役員、20年4月専務執行役員、同年6月から専務取締役。
八郷社長と三部専務は19日にオンラインでの記者会見を開き、三部氏が抱負などを表明する予定だ。
本田技研工業の三部敏宏専務