自分で開ける踏切---JR西日本が現地試験

現地試験、踏切ゲート設置後
現地試験、踏切ゲート設置後全 4 枚

踏切障害事故の削減に取り組むJR西日本(西日本旅客鉄道)は、警報機も遮断機もなくリスクの高い第4種踏切について、安全対策として踏切ゲートを開発し、現地試験を実施する。

【画像全4枚】

踏切ゲートは、踏切通行者に物理的な一時停止・左右確認を促すもので、おもに歩行者用、自動車通行不可(軽車両通行可能)の踏切を対象に開発された。てつでん、サンポールと共同開発し、特許を出願中だ。特徴は以下の通り。

常時遮断……通行者の踏切横断時のみ開閉
水平開閉……遮断棒を支えず通行でき、軽車両を降車せず押開け可能
半自動……通行者の動作は出入時の「押開け」のみで、「開状態」ホールド後、自閉
設置位置・形状……踏切一旦停止線付近に設置し、引っかかり防止を考慮したアーム形状

現地試験は2月中旬から3月下旬まで、山陰線長門三隅~長門市駅間中山第1踏切(山口県長門市)で行なわれる。JR西日本では、実証実験の結果を踏まえ、今後の展開を検討するという。

JR西日本は踏切障害事故の削減に取り組んでおり、警報機なし・遮断機なしの第4種踏切を、廃止や遮断桿と警報機がある第1種踏切への格上げによって、数を減らすことに努めてきた。2016年のJR西日本管内の全踏切数は5927カ所で、警報機なし・遮断機なしは479カ所、2019年にはそれぞれ104カ所減の5823カ所、54カ所減の425カ所となっている。

踏切事故は2016年に14件(車以外7件、車7件)が発生し、2017年にやや増えて24件(車以外17件、車7件)、最も新しい数字の2019年は17件(車以外11件、車6件)となっている。2019年に第1種踏切100カ所あたりの事故件数は0.26、第4種踏切1カ所あたりの事故件数は0.70で、第4種のほうが道路・鉄道共に通行量が少ないと考えられるので、第4種の事故発生件数はかなり多い。

2019年の踏切事故17件について、11件が60歳以上の高齢者の事故だ(全体の約65%)。また、17件のうち7件が無理な横断により発生している(全体の約41%)。踏切障害に起因する列車の運休は約550本、列車の遅延は約2万本で、1日に約1万5300人に影響している。

《高木啓》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. VW『ゴルフ』復権へ、Mk. 9は完全電動化! ところがエンジン搭載バージョンも?
  2. 「デザイナー天才」とSNSで話題! 熱帯雨林モチーフのポルシェ“オセロット”発表「内装の作り込みがすごい」
  3. シビック タイプRに本革製ステアリングホイール、ホンダアクセスが純正設定…2026年1月発売
  4. 「自動車は巨大な動くIoT」SDV時代に高まるサイバーセキュリティとAIの重要性、「オートモーティブ ソフトウエア エキスポ 2025」の見どころをナノオプト・メディア大嶋社長×レスポンス編集長が語るPR
  5. 日産『ノートオーラ』など5車種783台をリコール…土曜ニュースランキング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る