100%グリーン電力で生産、BMWの新型EV 2車種…2021年後半から

クロスオーバーEVのiXはツインモーターで500ps以上

4ドアクーペEVの i4は1回の充電での航続が最大600km

両EVの生産に使用する電力は100%水力発電所から供給

BMW iX
BMW iX全 35 枚

BMWグループ(BMW Group)は3月2日、新型EVの『iX』と『i4』の生産に使用する電力を、100%再生可能エネルギーで作られたグリーン電力でまかなうと発表した。

クロスオーバーEVのiXはツインモーターで500ps以上

iXは、クロスオーバーEVで、BMWグループの新開発プラットフォームをベースにした最初のモデルとなる。BMW iXは、成功を収めている「スポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)」コンセプトを、サステイナビリティやインテリアの広さなどに焦点を当てて、再定義したという。全長と全幅はBMW 『X5』と同等で、全高はBMW 『X6』と同等、ホイールサイズはBMW 『X7』と同じとし、力強いプロポーションを追求した。

iXには、第5世代の「BMW eDrive」テクノロジーが搭載される。2基のモーターは、最大出力500ps以上を引き出す。0~100km/h加速は5秒以下。複合電力消費は、21kWh/100km未満(WLTP試験サイクル)とした。

高電圧バッテリーは、蓄電容量が100kWh以上と大容量で、1回の充電で600km以上の航続(WLTP試験サイクル)を可能にする。

高圧および最先端の充電テクノロジーにより、性能が長距離走行に最適化された。出力200kWまでのDC急速充電によって、バッテリー容量の最大80%を40分で充電できる。10分の急速充電で、航続を120km延ばすことも可能にしている。

4ドアクーペEVの i4は1回の充電での航続が最大600km

一方、i4は、個性的なデザインと高いパフォーマンスを備えたBMW iブランド初のグランクーペになる。BMW i4は、BMWブランドの4ドアクーペに共通するスポーティでエレガントなデザインに加えて、優れたパフォーマンスを追求している。

BMW i4用に開発された電動モーターは、最大出力530hpを発生する。530hpのパワーは、新型『8シリーズ』や『X7』、新型『X5』、『X6』など、現行のBMWの4.4リットルV型8気筒ガソリンターボエンジン搭載車と同じレベルにある。パワフルなモーターを得たi4は、0~100km/h加速およそ4.0秒のパフォーマンスを実現する。

また、BMW i4用に開発された高電圧バッテリーは、フラットな設計と最適化されたエネルギー密度が特長になる。バッテリー単体の重量は約550kgだ。蓄電容量はおよそ80kWhと大容量で、これにより、BMW i4の1回の充電での航続は、最大でおよそ600kmに到達する。

次世代の充電システムは、プラグインハイブリッド車(PHV)とEVで利用できる。出力は最大150kWだ。これにより、BMW i4の高電圧バッテリーは、およそ35分間で容量のおよそ80%分を充電できる。100km走行分のバッテリーを充電するには、およそ6分で済むという。

両EVの生産に使用する電力は100%水力発電所から供給

BMWグループは、新型EVのiXとi4の生産に使用する電力を、100%再生可能エネルギーで作られたグリーン電力でまかなう。グリーン電力とは、太陽光や風力、水力など、自然を利用した再生可能エネルギーで作られた電気を指す。

BMWグループは2021年後半から、ドイツ・ディンゴルフィンク工場において、新型EVのiXの生産を開始する予定。また、2021年内からドイツ・ミュンヘン工場において、新型EVのi4の生産を開始する計画だ。

両工場では、iXとi4の生産に使用する電力に、100%水力発電で作られたグリーン電力を充当する。BMW iXの生産に必要なグリーン電力は、モースブルクとランツフートの間にあるイザール水力発電所から供給される。BMW i4の生産に必要なグリーン電力は、ドイツ・レヒ川の水力発電所から供給される。両水力発電所からのグリーン電力は、BMWグループのランツフート、ディンゴルフィンク、ベルリンの各部品工場にも送られ、iXとi4の幅広いコンポーネントの製造にも使用される、としている。

《森脇稔》

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