月額5000円のオンデマンド交通サービス、ウィラーが「mobi」を解説…MaaSミーティング

イベントでmobiの構想をプレゼンテーションするウィラーグループ代表の村瀬茂高氏
イベントでmobiの構想をプレゼンテーションするウィラーグループ代表の村瀬茂高氏全 7 枚

WILLER(ウィラー)は3月9日、「ニューノーマルでMaaSが一気に加速する!」をテーマに「MaaSミーティング2021」をけいはんなプラザ(京都府相楽郡精華町)で開催した(オンライン併催)。イベントでは同社代表の村瀬茂高氏が登壇し、オンデマンドシェアモビリティの新しいサービス「mobi(モビ)」について詳細を説明した。

mobiは、自宅から2km圏内をカバーする月額5000円のオンデマンド交通サービス。利用者はアプリで迎車を呼ぶと、10分以内に迎えに来て、日々の買い物や通院、保育所への送迎などに利用できるものだ。

ニューノーマルにマッチしたモビリティとは

mobiを始めるにあたって、ニューノーマルへと変化していった社会情勢がmobiのサービス設計の背景にあることを村瀬氏は説明した。

「ニューノーマルにおいて、自宅2km圏のワンマイル移動が増えている。例えば買い物や病院、保育所への送り迎えなど。これはA地点からB地点への直線的な移動だけではなく、子供を迎えに行ったついでに買い物に行くなど回遊型だ。今はマイカーのチョイノリや自転車、徒歩が移動手段になっているが、 この移動を便利にすることで移動の総量を増やし、地域の活性化につなげられないかと考えた。」

mobi 5つの特徴

村瀬氏はmobiの特徴として5点を挙げた。

1. 呼ぶと10分で来る
マイカーや自転車の代替手段なので、乗りたいときにすぐに乗れることが重要。

2. 定額料金
都度課金だと移動総量が伸びない。外に出るハードルを低くするためにも定額料金がベター。同居家族サブスクプランで家族での利用を割安にし移動を促進する。

3. Myドライバー 地域ごとに2台から5台、顔見知りのドライバーが運行する仕組み。地域の安心や交流につながる。例えば塾の送り迎えにmobiを利用する場合、顔なじみのドライバーなら安心できるというメリットがある。

4. すべての移動ニーズの効率化 個人利用だけでなく、法人や自治体の移動需要を取り込む。運転手不足の状況で、移動リソースの効率化も重要なポイント。ホテルや塾の送迎バスなど既存のサービス需要も引き受ける。将来的にはモノの移動も取り込んでいきたい。

5. シームレスな移動
アプリではmobiと公共交通の複合検索ができる。目的地まで、mobiと電車を組み合わせたルートがわかる。マイカーが無くても暮らしに困らない、移動の機会が増える、という状態にする。

これからの事業展開

イベントに先立ち、ウィラーは3月8日から、同社が運営する京都丹後鉄道沿線地域でmobiの実証実験を開始している。さらに5月からは、京都府京丹後市、東京都豊島区、東京都渋谷区の3つの地域で順次サービス開始に向けて準備中と村瀬氏は説明した。

「まずは3つの地域、大都市と地方都市でサービスを展開する。この1年間は一つ一つ丁寧に(サービスを)作り上げ、2022年以降に各地域に広げて行きたい」

またmobiのサービスを広く展開していくにあたって、それぞれの地域でmobiサービスを運用していくオペレーターと、mobiを自社のサービスとして利用したい企業やブランドを募集することも表明した。

最後に村瀬氏は、今後の展開について「この話も始まったばかりで、これから無限の可能性を秘めていると感じている。ウィラーがひとりで作るのではなく、(イベントに来場した関係者の)みなさまと、自宅から2km圏のオンデマンドシェア交通のビジネスモデル、サービスモデルを、地域に根差しながら考えていきたい」と締めくくった。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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