日産系の4Rエナジー、EVバッテリーの再製品化を拡充…初代リーフ登場10年で備え

4Rエナジー 浪江事業所(2018年3月)
4Rエナジー 浪江事業所(2018年3月)全 3 枚

日産自動車と住友商事が2010年に設立した車載バッテリーの2次利用を手掛けるフォーアールエナジー(4R社、横浜市)の牧野英治社長は3月16日、オンラインで記者会見し、今後の事業方針などを明らかにした。

4R社は電気自動車(EV)に搭載されたリチウムイオンバッテリーの再製品化(リユース)やリサイクルなどを事業としている。2018年3月には日産の初代『リーフ』の中古バッテリーの増加を踏まえ、浪江事業所(福島県浪江町)を設立し、回収バッテリーの性能分析、再製品化などを本格化してきた。

これまで、日産の純正品としてのEV向け交換用再生バッテリー、蓄電システムなどを商品化している。EV以外ではセブン-イレブン・ジャパンの店舗で太陽光発電と連動して使う蓄電システムや、JR東日本の踏切用蓄電池などの実績もある。

2010年12月に発売された初代のリーフは翌11年に約1万台が販売されており、10年が経過する今年は、ほとんどのバッテリーが回収対象となる見込みだ。4R社のこれまでの回収実績は累計で数千台分の規模なので、今後は一気に増加する。このため、牧野社長は浪江事業所の処理能力について、具体的な言及は控えたが「適切なキャパシティーを確保するよう対応していく」と述べた。

能力増を図るうえで大きなネックとなるのは、4時間程度を要すこともある回収バッテリーの「性能測定」としており、「測定装置の拡充とともに、用途に応じた測定の簡素化も進めて大幅な時間短縮を図る」(牧野社長)方針を示した。人員の増強も行う計画という。事業の拡大を踏まえ「21年度の営業活動はかなりアグレッシブにしていきたい」とも述べた。

中期の視点では、脱炭素社会であるカーボンニュートラルの推進によって、再生可能エネルギーの導入と、それをバックアアップする蓄電システムの供給が急速に拡大すると見ている。一方、日産傘下としての4R社の役割は「EVの残価向上による貢献」も重要とし、日産EVのバッテリーの将来の買い上げ価格を同社との間でコミットする活動も始めたと明らかにした。

《池原照雄》

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