VWの新型EV『ID.4』、欧州受注が2万3500台超え 3月26日納車開始

ヘッドライトがまばたきする「IQ.Light」

ドライバーに危険を警告する「ID.Light」

1回の充電での航続は最大520km

フォルクスワーゲン ID.4
フォルクスワーゲン ID.4全 19 枚

フォルクスワーゲン(Volkswagen)は3月17日、新型EVの『ID.4』のドイツ本国での納車を、3月26日に開始すると発表した。2月末までに、欧州全体で2万3500台以上の受注を獲得しているという。

ID.4はフォルクスワーゲンの新世代EVの「ID.」ファミリーの2番目のモデルだ。第1弾は、小型ハッチバックの『ID.3』だった。ID.4は、フォルクスワーゲン初の本格的な電動SUVになる。世界最大の市場セグメントに成長しているコンパクトSUVセグメントに投入するために開発された。

ヘッドライトがまばたきする「IQ.Light」

エクステリアは、アスレチックなプロポーションを持つ。その流れるようなデザインはエアロダイナミクス性能追求の結果であり、0.28の抗力係数を実現している。ライトには最新のLEDテクノロジーを導入した。「IQ.Light」と呼ばれるLEDマトリックスヘッドライトでは、ドライバーが駐車中の車両に近づくと、まるで人間のように、そしてフレンドリーに、ヘッドライトがまばたきする。

オプションの「3D LEDテールライトクラスター」では、9本の光ファイバーケーブルが、濃い赤で光を放射する。ブレーキライトはXの形で点灯する。この3D LEDテールライトクラスターには、シーケンシャルウインカーが組み込まれており、内側から外側に向かって流れるように光る。

ID.4は、フォルクスワーゲングループの電動車向けモジュラー車台、「MEB」アーキテクチャをベースにしている。全長は4580mmで、乗員のための充分なスペースを持つ。トランクルームの容量は543リットル。後席を倒せば、最大で1575リットルに拡大する。電動テールゲート、ルーフレール、キャンピングカーなどのけん引ブラケットが装備される。

ドライバーに危険を警告する「ID.Light」

インテリアは、ボタンやスイッチ類を極力なくし、2つのディスプレイに操作系を集約した。そのうちの1つのディスプレイは12インチサイズで、タッチ機能を備える。

「AR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイ」をオプションで用意した。ナビゲーションの矢印を路面に投影し、ドライバーに進行方向を分かりやすく伝える。先進運転支援システム(ADAS)の「IQ.Drive」では、部分自動運転が可能な「トラベルアシスト」が利用できる。ID.4のソフトウェアとハードウェアは、新しいアーキテクチャの一部として設計されており、顧客は新車購入後に、アップデートをダウンロードできるようになる

「ID.Light」は、ID.4のインテリアのフロントウィンドウ下に配された細いライトストリップで、ドライバーを直感的にサポートするための装備だ。54個のマルチカラーLEDで構成されたID.Lightが、さまざまな光り方をすることにより、乗員とコミュニケーションするという。例えば、ID.Lightが電話の着信を知らせたり、バッテリー残量を知らせたりすることができる。ID.Lightには、ナビゲーションシステムのルート案内に合わせて、光る機能も備わる。

また、ID.Light は、「ハローID」と呼びかけることで作動するボイスコントロール機能と連動する。このボイスコントロール機能は、日常会話にも対応しており、乗員の問いかけに答える際、ID.Lightが人工の音声に合わせて、発光する。

1回の充電での航続は最大520km

ID.4は、スポーティかつオールラウンドな性能を追求した。リアアクスルに搭載されたモーターは、最大出力204psを引き出す。動力性能は、0~100km/h加速が8.5秒、最高速は160km/hでリミッターが作動する。

バッテリーは蓄電容量が77kWh。1回の充電で最大520 km(WLTP計測)の航続を可能にする。バッテリーは低重心化のために、キャビンのフロア下にレイアウトされた。後輪駆動による強力なグリップと210mmの最低地上高により、整備されたオフロードで優れた性能を発揮するという。アルミホイールは、最大で21インチが装着できる。

フォルクスワーゲンは、「We Charge」と名付けた電動車向けの充電サービスを欧州で展開している。ID.4の顧客は、このWe Charge が利用できる。DC急速充電ステーションでは、320km走行するのに必要なバッテリー容量を、約30分で充電することができる。

《森脇稔》

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