フラットトラックレースで鍛え上げられたインディアン FTR1200の素性の良さに迫る

全米フラットトラックレースの栄光を過去のものとしない新生インディアンの快進撃

FTR1200でフラットトラックを楽しむチーターカスタムサイクルズの大沢俊之さん

土の上で走らせても素性の良さを感じるインディアン FTR1200

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インディアン FTR1200インタビュー
インディアン FTR1200インタビュー全 39 枚

全米フラットトラックレースの栄光を過去のものとしない新生インディアンの快進撃

全米フラットトラックレースでの活躍と栄光。インディアンの歴史を振り返った時、必ず目にする文言ではないだろうか。ハーレーの独壇場とも思われていたそのフィールドで、かつてインディアンが活躍していたのはなかば伝説のような話でもある。

アメリカフラットトラックレースで快進撃を続けるインディアンアメリカフラットトラックレースで快進撃を続けるインディアン
しかし、それを現在の世界で再現しようとしたのが新生インディアンでもある。アメリカ発祥のモータースポーツでトップを奪うことを使命とし、レース専用に作られたFTR750を2017年から投入。そこから現在まで完全制覇。瞬く間にその世界を席巻し、フラットトラック=インディアンという図式をここ数年で築き上げることに成功してしまった。そして、そのレプリカモデルともいえるFTR1200の登場と歴史は現在進行形で進んでいる。

FTR1200でフラットトラックを楽しむチーターカスタムサイクルズの大沢俊之さん

そんなフラットトラックマシンをDNAにもつFTR1200でフラットトラックを楽しむのがチーターカスタムサイクルズの代表。大沢俊之さんだ。大沢さんはカスタムシーンで国内外から注目される存在。その経歴はハーレーカスタムで有名なモトライフから始まっている。というよりも、モトライフは親戚が経営しているお店という。かつて「モトライフ」はホンダの看板を掲げてレース活動も積極的に行っていたが、子供の頃に家族ぐるみでサーキットに連れ出されるのが嫌だったと語る大沢さん。

チーターカスタムサイクルズ 大沢俊之さんチーターカスタムサイクルズ 大沢俊之さん
「子供の頃はあまりバイクというかレースには興味はなかったですね」とは言うものの、20歳前にはモトライフに入店。その後、ハーレーカスタムの名門。ホットドッグに在籍し腕を磨く。2013年に独立しチーターカスタムサイクルズを設立。身体の中にあるDNAなのか、その才能を遺憾なく発揮し日本国内だけでなく世界中から注目されるカスタムビルダーとなっている。

フラットトラックを始めたのは、海外のカスタムショーへの出展で現地を訪れたことがきっかけという「海外のショーでは前夜祭でフラットトラックレースが行われたりするんですね。これが結構な盛り上がりで、せっかく行くのなら、出展するだけでなく自分も出てみたいな。なんて思って。5年くらい前にここ(ウエストポイント)に来たのがきっかけです。走ってみたら、『これは面白いな!』と。BMXとかバイシクルトライアルとか、結構ハマっていた時期もあって、それらと共通する何かもあったのかもしれませんね。滑らせる感覚とか、純粋なレースとかとも違ってその魅力に取り憑かれました」

モーターサイクルジャーナリスト 鈴木大五郎さんモーターサイクルジャーナリスト 鈴木大五郎さん
もちろんはじめは同じFTRといってもホンダ製のFTR223で腕を磨いたという。暇があれば…というよりも、そのために時間を作って練習。「上手くなりたいとか、自分の作ったマシンで格好良く走れるようになりたいな。とか、そんな目的もありましたけど、まあ、一番は純粋に楽しかったからなんです」もっと自由にフラットトラックを楽しんだり門戸を広げたいとの思いで、カスタムビルダー仲間とHave Fun!!を立ち上げ、定期的に走行会も主催している。

名前や存在感に特別感のある『インディアン』というブランド

そんな大沢さんのインディアンとの繋がりは何だったのだろうか。「海外のショーで知り合ったインディアンの本社スタッフから『うちのバイクで何かやらないか?』なんて声をかけてもらったりしていたんですよ」とはいえ、当時はインディアンに日本法人がなかったため、すぐに話は進まなかったという。そしてインディアンを生産するポラリス社の日本法人ポラリスジャパンが設立されたタイミングで、本格的なバイクカスタムの打診があった。

フラットトラッカー仕様のインディアン FTR1200フラットトラッカー仕様のインディアン FTR1200
ここ数年、様々なメーカーが市販モデルを著名なビルダーに提供し、カスタムを依頼するというのがブームになっている。その中で日本のカスタムビルダーのレベルは世界一との呼び声が高く、世界中から注目されている。インディアンも同様に様々な国のビルダーにマシンを提供。そして我が国においてはチーターカスタムサイクルズに白羽の矢が立てられたのだ。インディアンのリクエストはFTR1200のイメージに最も近いフラットトラックで遊べるマシンという大雑把なものだったという。

「アメリカの文化も大好きですし、インディアンというブランドには名前も含めて、その存在に特別感がありますよね。そのインディアンと直接何かをするというのは光栄ですね。現在のインディアンは、正直昔のインディアンとは違います。でも、そのDNAがしっかり引き継がれているところがあるし、また、ある意味ハーレーとは全く違うアプローチというのが魅力なんです。昔のインディアンのレストアとかもするんですけど、中身も独自の機構があってとても興味深いんです。

中でもFTR1200に関しては、過去の栄光とかとは関係なく、とにかくカッコいいバイクだなと感じました。シンプルだからカスタムのし甲斐もありそうだなと。でも、ノスタルジックというか、そういったことに執着し過ぎないで前を向いているような姿勢にも共感を受けました」
インディアン FTR1200 Carbonインディアン FTR1200 Carbon

インディアン FTR1200を実際にフラットトラックで使うことで分かる素性の良さ

とは言え、正直、これをダートで使うのはどうなのだろう。やっぱり実物のレーサーとは大きさも重さもディメンションも違う。本物のトラッカーは土の上だけを走るため、フロントブレーキがなく、剛性を落としてしなりをもたせたフレームワークを採用している。そのままの状態でアスファルトを走れば、当然剛性不足を感じるが、フラットトラッカーとしてはそれが正解だ。一方、FTR1200には筆者も試乗したことがあるのだが、レスポンスの良いエンジンに対してしっかりとした車体回り、フラットトラックレーサー然としながらも、あらゆるところに手が入り、極上のストリートスポーツバイクとしての素性の良さを持っていることに驚かされた経験がある。だと言っても、そのキャラクターのままフラットトラックを楽しむのは難しそうに感じる。

インディアン FTR1200インタビューインディアン FTR1200インタビュー
「僕もそう思ったんですけど、FTRの名前はやっぱり伊達ではありませんでしたね。土の上で走らせても素性の良さをすごく感じます。レーサーのFTR750のDNAはしっかりあるように感じています。もちろんストリートモデルである以上、譲れなかった部分も多いとは思います。そういった狙いを感じながら、少しずつ自分の理想のフラットトラッカーに近づけていっている状況です。

リアサスペンションは取り払われリジットにリアサスペンションは取り払われリジットに
具体的にはシート高というか、車高が高いんですね。それはストリートで乗る場合には必要な要素ですが、フラットトラックではそこまでのサスストロークはいらない。リヤサスはローダウンしつつリジットにしています。それに合わせてフロントもセットアップしています」バイクを見ると足つきだけでなく、ライディングポジションも変更されている。

ライディングポジションも変更されているライディングポジションも変更されている
「FTR1200はシート下に燃料タンクがあるのですが、これも公道ではある程度容量が必要だから大きくなってしまいます。これも今後は作り直したいと思っているんですけどね。通常の燃料タンクに見えるのはただのカバーで、その下はエアークリーナーになっています。普通だったらタンクをコンパクトにして…と出来るのですが、そのあたりの制限があるのが難しいところですね」

インディアン FTR1200がもたらす可能性の広がり

格好だけではなく、走りの質も落とせないのが難しい反面、やりがいもあるという「全てが高度な電子制御でコントロールされているので、そこも難しいところです。シンプルに見えて最新のテクノロジーが随所に使われています。前例があるわけでもないので、一つのパーツを変更するにも結構な手間がかかってしまいます。それが仕事な訳ですからそれを楽しみながら進化させていきたいですね。もちろん、ただ作るだけではなくて、しっかり走れるマシンに仕上げることも大切な要素だと思っています。マシンの進化を感じながら、また自分のライディングテクニックも磨いていきたいですね。なかなかこのマシンをブンブン振り回すのは大変なのですけど、それも含めてやりがいもあります」

インディアン FTR1200インタビューインディアン FTR1200インタビュー
一方で、もう一台のストリート向けのカスタムも同時進行で手掛けているという。「公道用なのでこのトラッカーのままというわけにはいきません。でも、先にこのマシンを触っていたおかげで、いろいろなアイデアも盛り込めますし、マシンの理解度もより深くなっています。どんどんハマっていく自分もいて面白いです」大沢さんのカスタムビルダーとしてのアイデアや手法。そして人間関係。インディアンの存在。FTR1200の存在によって、さらなる広がりを見せているようだ。

そんなインディアンモーターサイクルのFTR1200シリーズでは現在、2020年モデルを2021年6月末までに成約するとアクセサリーパッケージがもらえるキャンペーンを実施している。FTR1200 Rallyではサイドバッグやタンクバッグなどツーリング志向のツアーパッケージ、FTR1200Carbonではアメリカ・カリフォルニア州にあるバイクパーツブランド、ローランドサンズデザインがデザインしたスタイルパッケージが付いてくる。詳細はインディアン正規ディーラーまで。

インディアン FTR1200を成約するとアクセサリーパーツが付いてくるインディアン FTR1200を成約するとアクセサリーパーツが付いてくる
※パッケージのパーツ内容に変更が発生することがあります。

インディアン FTR1200の詳細はこちら

《鈴木大五郎》

鈴木大五郎

AMAスーパーバイクや鈴鹿8耐参戦など、レース畑のバックボーンをもつモーターサイクルジャーナリスト。1998年よりテスター業を開始し、これまで数百台に渡るマシンをテスト。現在はBMWモトラッドの公認インストラクターをはじめ、様々なメーカーやイベントでスクールを行なう。スポーツライディングの基礎の習得を目指すBKライディングスクール、ダートトラックの技術をベースにスキルアップを目指すBKスライディングスクールを主宰。

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