【アウディ A4ディーゼル 新型試乗】A6に迫るスムースさと、マニア心をくすぐる演出…島崎七生人

アウディ A4アバント 40 TDI quattro
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矢継ぎ早に投入されるアウディのディーゼル「TDI」

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アウディのディーゼル車が日本で最初に発売されたのは1979年。当時のフラッグシップセダンだった『100(C2)』に直列5気筒1985ccディーゼルエンジンを搭載して登場した。ただし高級車志向だった当時の日本のユーザーには、なかなか受け入れられなかった。

時は流れて1989年になると“TDI”と呼ばれる新世代の直噴ターボディーゼルが登場。日本では実感がないがこのTDIは4気筒から8気筒まであり、アウディの資料によれば年間台数60万台、今日まで800万台を超える台数が生産されたという。当然初期のディーゼルエンジンに対し性能向上は目覚ましく、2016年に欧州市場に投入された『SQ7』のTDIモデルの4リットルV8ユニットは、435ps/900Nmの性能を誇る。

2018年の不正問題はすでに決着済みだが、どうやらその余波で、その後の認証関係のスケジュールが軒並み影響を受けたらしい。ともあれクルマ(エンジン)に罪がある訳ではなく、2019年『Q5』以降、『A6』『A6スポーツバック』『RS Q3』『RS Q3スポーツバック』『Q2』と、矢継ぎ早にTDIが投入されている。

「A6に迫る」スムースさと、マニア心をくすぐる演出

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今回、新型『A4』に新設定されたTDIには2機種があり、試乗車はそのうちの高性能版の「40 TDI quattro」。排気量1968ccの4気筒で190ps/400Nmを発揮。これに7速Sトロニックと機械式センターデフ搭載のクワトロシステムが組み合わせられる。

メーカーの発表の欧州仕様車測定値(セダン)は、0-100km/h加速7.7秒、最高速度は241km/hという。ちなみにもう1タイプの「35TDI」は160ps/380Nmの性能で、そちらはFWDが採用される。

ところで走らせた印象だが、非常に運転しやすいのが印象的だった。試乗は街中の一般道を主体に行ったが、アクセルのオン/オフに対する加速の追従性が自然で、低回転からしっかりとトルクを出してくれる特性もあり実にスムースに走らせられる。

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また音と振動のレベルはやや性急な加速を与えた際に室内にいて“やや、するかな”といった程度で、ガソリンエンジンに遜色はない。

試乗中、九十九折りのコースをスピードに緩急をつけつつ走ってみたが、後輪もしっかりとクルマを“走らせてくれる”安心感を味わいながらのドライブができ、素直なステアリングフィールにも好感がもてた。乗り味はガソリン車同様の「A6に迫る」スムースさ。後席の快適性も非常に高い。

試乗車は「S line」で、外観上、標準車と違うのはフロントまわりで、幅広のハニカムパターンのグリルの上に薄いスリットがつく。これは往年の『スポーツクワトロS1』のイメージであり、新型では前後フェンダーがさりげなくブリスター風になっていたりと、こうした演出は往年のクワトロを覚えているマニアの心をくすぐりそうだ。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

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