[カーオーディオのこだわりポイント]外部パワーアンプは 何chアンプ を使うべき?

モノラルパワーアンプの一例(ビーウィズ・P-1R)。
モノラルパワーアンプの一例(ビーウィズ・P-1R)。全 3 枚

こだわるほどに楽しさが深まっていくカーオーディオ。当特集では、それらこだわりポイントの1つ1つを掘り下げ、こだわることでどのような楽しさが味わえるのかを明らかにしている。今回は、「パワーアンプ」編の第2回目として「ch数」をテーマに据えてお贈りする。

使い勝手にこだわるなら、選ぶべきは「4chパワーアンプ」!?

さて、外部パワーアンプを導入しようとするときには、「何chアンプを使うか」というところもこだわりポイントとなってくる。

で、さまざまなタイプがあるのだが、もっともスタンダードなチョイスとなるのはズバリ、「4chパワーアンプ」だ。実際、「4chパワーアンプ」の売れ行きは他を大きく引き離しているという。

なぜにこれが断トツの人気を誇っているのかというと、その理由はひとえに「使い勝手が良いから」だ。「4chパワーアンプ」を1台用意すれば、「フロント2ウェイ+サブウーファー」というスピーカーレイアウトのシステムを、1台のパワーアンプだけで鳴らし切れる。または「フロント2ウェイのマルチアンプ接続」も、1台だけでまかなえる。

システムに投入するパワーアンプが1台だけで済むのなら、導入するハードルを下げられる。取り付けスペースは1台分あれば良く、取り付け工賃も1台分で済む。そして何より、パワーアンプ代も1台分で済む。

また、「4chパワーアンプ」を1台使っているところから外部パワーアンプを増設したくなったときにも、「4chパワーアンプ」が候補となる。そのときに必要なch数が仮に「1ch」だけだったとしても敢えて「4chパワーアンプ」を買うと、以後さまざまなシステム構築が可能となるからだ。つまり「4chパワーアンプ」は、システム発展においてもフレキシビリティを発揮するのだ。

このように、「4chパワーアンプ」はユーティリティが高い。使い勝手にこだわろうとするならば、「4chパワーアンプ」がお薦めだ。

4chパワーアンプの一例(DLS・CCi44)。

音質性能にこだわろうとすれば、「2chパワーアンプ」が有利!?

しかしながら音にこだわろうとするのなら、「2chパワーアンプ」を買い足していくという選択肢も浮上する。

なぜなら、「2chパワーアンプ」には音質性能にこだわったモデルが多い傾向があるからだ。というのも、メーカーによって状況は異なるものの、同一シリーズ内で「4chパワーアンプ」と「2chパワーアンプ」の両方がラインナップされている場合、それぞれがほぼ同一の価格というケースは案外多い。そうであると以下のようなことが言える。例えばそれぞれが1台あたり20万円だったとしよう。であると、「4chパワーアンプ」の方は1chあたりの価格が5万円という計算になるが、「2chパワーアンプ」の方は1chあたりの価格は10万円だ。このように価格が倍も違えば、性能差もそれなりに出てくる。

もちろん、他で40万円の「4chパワーアンプ」を探せば、20万円の「2chパワーアンプ」に匹敵する性能のモデルを手にできるはずなわけだが、しかし1度に40万円を投じるのは簡単ではない。でも「2chパワーアンプ」の場合は、1台ずつ買っていくというやり方も選択可能だ。このように、システムをハイグレード化させようと思った際には、「2chパワーアンプ」にターゲットを定めた方がやりやすくなったりもするのだ。

また「2chパワーアンプ」は、システム構築のコストを下げるという観点を持つときにもアドバンテージを発揮する。今必要なのが2ch分だけであるのなら、例えば10万円の「4chパワーアンプ」を買わずして5万円の「2chパワーアンプ」を選べば、半分の予算でパアーアンプの増設を完了できる。

2chパワーアンプの一例(カロッツェリア・RS-A09X)。

合理性を突き詰めるならば、「多chパワーアンプ」を使うという手もある!

ところでシステム構築の合理性を重んじるのであれば、「多chパワーアンプ」を使うという選択肢も浮上する。なおこれは、5ch以上のch数が確保されたモデルのことを指す。さまざまなタイプがあり、もっともch数が多いモデルでは「8ch」が確保されていたりする。

かくしてこれを使えば、「フロント3ウェイ+サブウーファー」というスピーカーレイアウトのシステムを、たった1台のパワーアンプだけで「マルチ駆動」できる。「4chパワーアンプ」を2台使う場合以上のシステムの簡略化を成し遂げられる。

そして外部パワーアンプにはもう1つ、「モノラルchパワーアンプ」もある。なおこれには2タイプが存在している。1つが「サブウーファー用」で、もう1つが「高音質タイプ」だ。

ちなみにサブウーファーは、ステレオではなくモノラルで鳴らされることが多い。なぜならサブウーファーが再生する低音は1波長が長くそして音の出どころも分かりにくいので、車内でステレオで鳴らしてもステレオ感を得難い。ならば「モノラルchパワーアンプ」を使って鳴らした方がもろもろが効率的だ。

そしてもう1つの「高音質タイプ」は、「マルチアンプ接続」をする際に重宝する。これを使ってそれを行うと、各chごとのセパレーションが良くなる等のメリットがもたらされ、「マルチアンプ接続」の利点を一層引き出せるようになるのだ。なおフルレンジ用の「モノラルchパワーアンプ」は、高級機である場合が多い。もしもとことん音にこだわった「マルチアンプ接続」を実行しようと考えるなら、「モノラルchパワーアンプ」を使っても面白い。覚えておこう。

今回は以上だ。次回も「外部パワーアンプ」を使う際のこだわりポイントの解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

追求するほど楽しさ倍増! カーオーディオの“こだわりポイント”を大解説 Part4 外部パワーアンプ編 その2 「何chアンプ」を使うべき?

《太田祥三》

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