ジープ、ラングラー PHV 向け充電ステーション整備…「オフロードをゼロエミッションで」

2.0ターボ+モーターのPHVシステムは375hpのパワー

米国の平均的な1日の通勤距離をゼロエミッション走行可能

スマホアプリで無料充電のためのロックを解除

ジープ・ラングラー の PHV「4xe」向け充電ステーション
ジープ・ラングラー の PHV「4xe」向け充電ステーション全 25 枚

ステランティス傘下のジープブランドは3月26日、『ラングラー』初のプラグインハイブリッド車(PHV)の「4xe」(フォーバイイー)の今春の米国発売に合わせて、オフロード近くに充電ステーション「ジープ4xe チャージングネットワーク」を整備すると発表した

4xeは、ジープブランドのPHVに付される名称だ。すでに、『レネゲード』初のPHVの『レネゲード4xe』と、コンパス初のPHVの『コンパス4xe』が用意されている。

ジープは、レネゲードとコンパスに続いて、ラングラーにもPHVの4xeを拡大展開する。ジープブランドは、2022年までの中期経営計画において、電動化の推進を重視している。ジープブランドの電動化の推進は、PHVを主役に位置付ける。2022年までにPHVを10車種、市場に投入。さらに、EVも4車種をリリースしていく。

2.0ターボ+モーターのPHVシステムは375hpのパワー

『ラングラー4xe』は、ラングラーの4ドアをベースにしている。専用のボンネットを採用し、スキッドプレートと前後の牽引フックも装備する。オフロードホイールと大径タイヤを標準装備した。最低地上高は274mmで、最大760mmの渡河性能を持つ。アプローチアングルは44度、ブレークオーバーアングルは22.5度、デパーチャーアングルは35.6度と、ラングラーならではの優れたオフロード性能と、環境性能の両立を狙う。

PHVパワートレインは、エンジンが直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボで、最大出力270hp/5250rpm、最大トルク40.8kgm/3000rpmを発生する。このエンジンは、5800rpmまで許容する。シリンダーヘッドに直接取り付けられたツインスクロールの低慣性ターボチャージャーによって、優れたレスポンスとパフォーマンス、燃費を追求している。

従来のオルタネーターに代えて、「eトルク」と呼ばれるベルト・スタート・ジェネレーターを採用する。モーターは、8速ATと一体設計された。このモーターは、最大出力134hp、最大トルク25kgmを引き出す。エンジンとモーターを合わせたPHVシステム全体で、375hpのパワーと65kgmのトルクを獲得する。動力性能は、0~96km/h加速が6.0秒だ。

米国の平均的な1日の通勤距離をゼロエミッション走行可能

バッテリーは、蓄電容量17kWhのリチウムイオンだ。ラングラー4xeには、「E Selec」と呼ばれる3種類の走行モードがある。ドライバーは、ステアリングホイール左側のボタンを操作して、パワートレインモードを選択する。選択したモードに関係なく、バッテリー残量が少なくなると、自動的に「ハイブリッド」モードに切り替わる。

ハイブリッドモードは基本モードで、2.0リットルエンジンと電気モーターのトルクを最適にバランスする。このモードでは、パワートレインは最初にバッテリーの電力を使用し、バッテリー残量が少なくなると、エンジンからの駆動力を追加する。

「エレクトリック」モードでは、パワートレインは、バッテリー残量が少なくなるまで、ゼロエミッションで走行する。「eセーブ」モードでは、2.0リッターエンジンからの駆動力を優先し、バッテリーの電力を節約する。ドライバーは、「Uconnect」モニターを介して、eセーブモード中に、バッテリーセーブとバッテリー充電のどちらかを選択することもできる。エレクトリックモードでは、米国の平均的な1日の通勤距離をゼロエミッション走行できるという。

スマホアプリで無料充電のためのロックを解除

ジープブランドは、このラングラー4xeの今春の米国発売に合わせて、オフロード近くに充電ステーションのジープ4xe チャージングネットワークを整備する。ジープブランドは「ElectrifyAmerica」と提携して、今後1年間、米国の主要なオフロードコースの近くに充電ステーションを設置し、ユーザーが電動ジープを最大限に活用できるようにしていく。

ジープ4xe充電ステーションは今春、米国で最も人気のある2つのオフロードコース(カリフォルニア州)と、ジープブランドを象徴するユタ州モアブにオープンする予定だ。ジープ4xe充電ステーションでは、太陽光発電を利用した発電も行う。3か所以外でも、ジープ4xe充電ネットワークの場所が今後、発表される予定で、全米に充電ネットワークを拡大することを目指す。

ジープの4xeのユーザーは、Electrify Americaのスマートフォン向けアプリにログインして、無料充電のためのロックを解除する。これにより、ユーザーは充電を開始したり、充電状態をモニターしたりすることができる。

ジープ4xe充電ステーションでは、レベル2(240ボルト)の充電が可能。レベル2の充電では、ジープラングラー4xeの蓄電容量17kWhのバッテリーパックを約2時間でフル充電でき、およそ34kmゼロエミッション走行できる。ラングラー4xeを使用すると、ジープファンは、瞬時にトルクを発揮するゼロエミッションのパワートレインで、自然を探索できるという。

ジープブランドのクリスチャン・ムニエCEOは、「ジープブランドを最も環境に配慮したSUVブランドにするためのカギは、米国の代表的オフロードコースを含めて、ユーザーがどこにいても電動パワートレインのメリットを享受できるようにすること」と述べている。

《森脇稔》

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