VWの新型EV『ID.4』、最初の顧客に引き渡し…全世界で15万台を2021年に納車予定

EV向けモジュラー車台「MEB」がベース

初の無線ソフト更新を今夏欧州で開始

1回の充電での航続は最大520km

ID.4の最初の顧客の中にはID.3のオーナーも

フォルクスワーゲン ID.4 を最初の顧客に引き渡し
フォルクスワーゲン ID.4 を最初の顧客に引き渡し全 17 枚

フォルクスワーゲン(Volkswagen)は3月26日、新型EVの『ID.4』をドイツ本国において、最初の顧客に引き渡した、と発表した。

ID.4はフォルクスワーゲンの新世代EVの「ID.」ファミリーの2番目のモデルだ。第1弾は、小型ハッチバックの『ID.3』だった。ID.4は、フォルクスワーゲン初の本格的な電動SUVになる。世界最大の市場セグメントに成長しているコンパクトSUVセグメントに投入するために開発された。

EV向けモジュラー車台「MEB」がベース

ID.4は、フォルクスワーゲングループのEV向けモジュラー車台、「MEB」アーキテクチャをベースにしている。全長は4580mmで、乗員のための充分なスペースを持つ。トランクルームの容量は543リットル。後席を倒せば、最大で1575リットルに拡大する。電動テールゲート、ルーフレール、キャンピングカーなどのけん引ブラケットが装備される。

インテリアは、ボタンやスイッチ類を極力なくし、2つのディスプレイに操作系を集約した。そのうちの1つのディスプレイは12インチサイズで、タッチ機能を備える。

「AR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイ」をオプションで用意した。ナビゲーションの矢印を路面に投影し、ドライバーに進行方向を分かりやすく伝える。先進運転支援システム(ADAS)の「IQ.Drive」では、部分自動運転が可能な「トラベルアシスト」が利用できる。

初の無線ソフト更新を今夏欧州で開始

ID.4のソフトウェアとハードウェアは、新しいアーキテクチャの一部として設計されており、顧客は新車購入後に、アップデートをダウンロードできるようになる。

ID.4では、初の無線(OTA)ソフトウェアアップデートを今夏から欧州で開始する。欧州で販売されたID. 4は、Wi-Fiまたはモバイルネットワークを通じて、新機能や技術的なアップデートを受信できるようになる。OTAアップデートに必要なソフトウェアの「バージョンID.2.1」は、ID.3とID.4の全車に搭載されている。

このソフトウェアのバージョンID.2.1を使用すると、量販セグメントで初めて、顧客が工場に行かなくても、車載コントロールユニットなどを更新できるようになるという。

1回の充電での航続は最大520km

ID.4は、スポーティかつオールラウンドな性能を追求した。リアアクスルに搭載されたモーターは、最大出力204psを引き出す。動力性能は、0~100km/h加速が8.5秒、最高速は160km/hでリミッターが作動する。

バッテリーは蓄電容量が77kWh。1回の充電で最大520 km(WLTP計測)の航続を可能にする。バッテリーは低重心化のために、キャビンのフロア下にレイアウトされた。後輪駆動による強力なグリップと210mmの最低地上高により、整備されたオフロードで優れた性能を発揮するという。アルミホイールは、最大で21インチが装着できる。

フォルクスワーゲンは、「We Charge」と名付けた電動車向けの充電サービスを欧州で展開している。ID.4の顧客は、このWe Charge が利用できる。DC急速充電ステーションでは、320km走行するのに必要なバッテリー容量を、約30分で充電することができる。

ID.4の最初の顧客の中にはID.3のオーナーも

フォルクスワーゲンは、このID.4をドイツ本国において、最初の顧客に引き渡した。引き渡しは、ドレスデンの「ガラスの工場」と、ヴォルフスブルクのアウトシュタットの配送センターで同時に行われた。新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの自動車ディーラーが閉鎖されていたにもかかわらず、2月末までにヨーロッパ全体で2万3500台の受注を獲得しているという。

フォルクスワーゲンは2021年、世界中で約15万台のID.4を納車する予定だ。これは、2021年に計画されているEV全体の45万台の生産量の約3分の1にあたる。フォルクスワーゲンによると、ID.4が加速する電動化攻勢の重要な柱になるという。

なお、ID.4の最初の顧客の中には、すでにID.3のオーナーとなっている顧客も複数いた、としている。

《森脇稔》

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