オフィスカーの導入はSDGsにも繋がる…ジャパンキャンピングカーショー2021

トレイルワークスの上部に、このようなソーラーパネルを取り付けることができる。
トレイルワークスの上部に、このようなソーラーパネルを取り付けることができる。全 10 枚

株式会社ケイワークスのブース(ジャパンキャンピングカーショー2021)では、移動可能なオフィスをコンセプトにした、オフィスカーが3台展示されている。

【画像全10枚】

これらのオフィスカーは、トレーラータイプ、トヨタ『ハイエース』をベースにしたカスタムモデル、ホンダ『N-VAN』をベースにしたカスタムモデルとなっているが、これらのモデルの特徴、そしてオフィスカーを企業が導入することで、どのようなメリットがあるのか、営業部営業2課営業担当の及部智充氏にお話を伺った。

トレイルワークス・オフィスカー

トレーラータイプは、ケイワークスの『トレイルワークス』というモデルをベースにしている。

「これは、車両重量が750kg以下のために普通免許のみでけん引ができるという特徴がある。架装をして重量が増えてしまうとけん引免許が必要となるが、この状態であればけん引免許は必要ない」

及部氏によると、重量削減のために次のような工夫をしているという。

「エアコンやキッチン部分については架装なのでトレーラーの重量としてカウントされるが、こちらの椅子については、トレーラーに固定しているわけではなく、積載物として扱うことができるので、重量としてカウントされない。この椅子は座面をテーブル側に寄せ、背もたれを座面と並べればベッドにもなる」

「電源については、オプションの270W仕様の太陽光パネルを装備することも可能だし、300Ahのリチウムイオンバッテリーであれば、エアコンも5時間以上稼働可能になる。晴れていればソーラーパネルで充電しながらバッテリーを充電することもできるので、オフグリッドシステムとして利用できる」モニターアームが標準装備となっているため、モニターを向ける方向を変えられるといったメリットがある。モニターアームが標準装備となっているため、モニターを向ける方向を変えられるといったメリットがある。

ハイエース・オフィスカー

キャンピングカーとして販売されているハイエースは非常に多い。しかし及部氏によると、企業がキャンピングカーをワークスペース用に導入するというのは、どうしてもハードルが高いそうだ。

「そこでオフィスカーであれば、仕事をするスペースなので導入もしやすいのではないかと考えた」

「キャンピングカーは家族で楽しむといったことが前提なので、家具なども豪華仕様になっている。こちらはオフィス利用なので、シンプルな家具を導入し、水回り、火回りも搭載していない。それによりコストを下げて、導入しやすいようにと考えて製作している」

「テーブルなどは収納でき、椅子を展開すればフラットなベッド状態になるので、大人2名が就寝できるスペースも確保できる。ポップアップルーフを架装オプションとして取り付ければ、大人が立って着替えることも可能だ。天井板を入れれば、上にも就寝スペースが確保できる」

「車内に備え付けのモニターは、後ろのドア側に向けることも出来るようにアームがついている。これは建築現場などでは朝にスケジュール確認を現場スタッフとすることが多い。その際にモニターにスケジュールを表示し、情報を共有することができるようになっている。また社内に集まってミーティングの際には、車内側に向けることができる」助手席の後ろのシートは、床の下に隠れているが、組み立てれば利用できるので、3人での移動が可能になる。助手席の後ろのシートは、床の下に隠れているが、組み立てれば利用できるので、3人での移動が可能になる。

N-VANオフィスカー

及部氏によると、N-VANオフィスカーはハイエース・オフィスカーの半額ぐらいのコストで、オフィスカーを導入したいという企業様に向けて開発されている。

「ひとり用のワーキングスペースで、オプションでソーラーパネルも用意されているので、オフグリッドの使いかたもできる」

「実際にN-VANを使用する際、オフィスカー仕様とはいえ、現場には2~3人で移動したいという場合、助手席と、助手席の後ろのシートは使えるようになっている」

普段はシートをフラットにして使用し、移動時だけシートを出すといった使いかたができるのはN-VANの強みだ。

「N-VANは低床なので、座ったときに頭の上にも余裕ができるし、室内も広いのでテーブルも大きなものにできる。これは仕事をするうえで大事な要素だと考えている」

オフィスカーを導入するメリット

これらオフィスカーは、コロナ禍で働き方が大きく変わったということもあり、去年夏頃から企業が検討し、今年になって受注はかなり多くなっていると及部氏はいう。

「オフグリッドであったり、SDGsへの取り組みなど、企業として考えていかなければならない事象に適しているからこそ、多くの企業様に検討していただけているのではないかと思う」

「オフィスカーを導入していただいたあるお客様から面白いお話を聞いた。そのお客様のオフィスカーのボディには、自社のロゴや広告が描いてあり、取引先にうかがったあと車内で仕事をしていたところ、車の中を覗き込んできた人に呼び出され、その方と実際に契約に至ったという話もある。まさに場所や時間にとらわれない働き方だからこその逸話だと思っている」

《関口敬文》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. マツダの新型SUV『EZ-60』が250万円スタート…10月に盛り上がった口コミ記事ベスト5
  2. 大人の秘密基地のキャンピングカー提案、「TRIP BLACK EDITION」出展へ…ジャパンモビリティショー2025
  3. 次期『Sクラス』はこの顔? メルセデスベンツ『ビジョン・アイコニック』発表…大型2ドアクーペ提案
  4. ついに巨大グリルがなくなる!? ガソリンエンジン搭載BMW『M3』次期型、ノイエクラッセ採用で2027年登場
  5. 中国製高級ミニバンが日本初上陸、『ZEEKR 009』を国内販売へ…ジャパンモビリティショー2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る