装備を割り切って実現した贅沢な“ひとり旅”、リンエイの軽キャンパー…ジャパンキャンピングカーショー2021

リンエイが出展した「マイクロバカンチェス ひとりのくるま旅」
リンエイが出展した「マイクロバカンチェス ひとりのくるま旅」全 12 枚

家族や仲間とキャンプするイメージが強いキャンピングカーの中で、あえて「ひとり旅」用とした「マイクロバカンチェス」軽キャンパーが、リンエイプロダクトから登場した。1人用とした軽キャンパーのメリットはどのような点にあるのだろうか。

実は軽キャンパーのオーナーは一人で利用する割合が多いという。軽キャンパーは元々車内のスペースだけでなく幅も狭く、2人分の就寝スペースを用意すると冷蔵庫や電子レンジといった設備を搭載できなくなってしまうからだ。サブバッテリーにしても就寝スペースを生み出すために小型タイプしか搭載できないのもマイナス点。つまり、車中で過ごすことをメインで考えた場合、軽キャンパーではいろいろな制約が生じるわけだ。

そんな中で登場したリンエイの「マイクロバカンチェス ひとりのくるま旅」は、まさに1人で使用することを前提にして設計された軽キャンパーである。展示車両のベースはマツダ『スクラム』。一人用としたことで、前述のような制約から解放され、1人で使うことを前提とした装備が可能となるのだ。

特に見逃せないのがサブバッテリーで、スペースを確保できたことで2000Wインバータを備えた大型のものを搭載し、これによって電子レンジが使えるようになった。さらに冷蔵庫も40Lの収容量を備える上開きのものとしている。リンエイの担当者は「ひとり仕様にすれば、スペースの制約を受けず様々なシステムが搭載できる。ひとりで過ごせば食材も余ることが多いので大きめの冷蔵庫は欠かせない」と話す。

また、ベッドは背が高い人でも対応できるよう、前席シートのすぐ後ろに延長用マットも追加できる設計としている。装備したTVも19型の少し大きめのサイズとしたのも見逃せない。ひとり旅ともなればテレビを見て過ごすことも増えるわけで、それを見越してDVDプレーヤー内蔵型ともしている。さらにスポットクーラーの装着も可能だ。1人で過ごす場合に何が必要なのかをしっかり見極めた上での装備となっているのだ。

さらにルーフには100Wのソーラーシステムが装備されていた。これはオプション装備とのことだが、サブバッテリーの容量が枯渇しそうになった際は天候さえよければ一定の電力は確保できる。

一方で本車両は2列目を完全に取り外して、リア部分を全面フラットベッドとしている。軽キャンパーの場合、多くはリアシートはそのままにして4名乗車を可能として普段使いを重視するが、本車両ではそこをあえて割り切って、本格的な家具やベッドを常設化した。これによってひとり旅での快適性を高めて、ベッドの上に座って寝るのもよし、自分の部屋のように寛いで過ごすこともできるのだ。

“ひとり旅”に割り切ることで軽キャンパーの新たな使い方を提案するリンエイの「マイクロバカンチェス ひとりのくるま旅」。新たなコンセプトを持ったキャンプの旅の形として注目に値するモデルと言っていいだろう。

(ジャパンキャンピングカーショー2021)

《会田肇》

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