アトランティックカーズが試作、ダラーラストラダーレをサーキットで振り回す…オートモビルカウンシル2021

ダラーラストラダーレ(オートモビルカウンシル2021)
ダラーラストラダーレ(オートモビルカウンシル2021)全 10 枚
ダラーラ『ストラダーレ』の正規輸入販売店、アトランティックカーズは、オートモビルカウンシル2021(幕張メッセにて4月9日から11日まで開催)にサーキット走行を想定したモデルとともに、同じダラーラ製シャーシーを持つTOM’S Super Formula SF-14を展示している。

ダラーラとはイタリアを拠点とするレーシングカーコンストラクターで、その創設者のジャン・パオロ・ダラーラ氏が、公道やサーキットで運転の本当の喜びを再発見するためのクルマ作りを目標に開発されたのがこのストラダーレだ。

2.3リットルのエンジンからは最大出力400ps、最大トルク500Nmを発揮。その最大の特徴は855kgという乾燥重量にある。この軽さと剛性を実現するためにカーボンファイバー構造を採用するとともに、あえて、パドルシフトギアボックスシステムはシングルクラッチを採用するほどのこだわりだ(マニュアルトランスっミッションも選べる)。当然レーシングコンストラクターであることから、シングルクラッチでも十分性能を発揮できるとの判断で、あえて重くなるダブルクラッチトランスミッションの採用は見送られた。

アトランティックカーズブランドマネージャーの高田侑典さんも、「ダラーラは、“重さは重さを呼ぶ”といっている。大きいエンジンでパワーを出そうと思ったら、それを止めるためのブレーキも大きくなり重くなっていく。そこである程度のところで止めてそれに合わせて極力軽い重量のクルマを作りたかった」と開発のポイントを説明。

そしてこの車両をベースにアトランティックカーズではよりサーキット走行を楽しめるようにと試作検討しているモデルが今回展示された1台だ。アトランティックカーズブランドマネージャーの高田侑典さんによると、この2台は「どちらの車両もダラーラ製のシャーシーを使っている」と述べるとともに、さらに、今後の展開として、「TOM’Sとアトランティックカーズはダラーラストラダーレをベースとした関係性が強まる予定だ」と明かす。現在はまだ正式決定前なので、詳細は語られなかったが、サーキット専用車両の開発など多岐に渡ることが予想される。

今回展示しているダラーラストラダーレは、現在同社が市販しているものをベースに、「ダラーラ社からオリジナルのサーキット専用のアフターパーツを提供してもらい組み付けたもの」と高田さん。「我々が耐久レースに出たりするためのものとして、より走りやすいものを用意してもらった」という。現在はダラーラ社としても公式にこれらアフターパーツは発売されてはおらず、こちらも研究開発用品のようだ。その結果、「サーキット走行するための試作モデルとして、実際の車両よりも車高が低くなっている」と述べる。

またストラダーレ(イタリア語で公道)なので公道用の足回りのセッティングだ。従って、「サーキットだと少し弱い部分もある可能性が感じられるので、今回は固めのものでセッティングを出している。ノーマルのストラダーレでもサーキットで十分遊べるのだが、より高みを目指して(タイムなどを)詰めていこうとセッティングも考えて試している最中だ」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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