新東名直結、ハイアットが手がける富士スピードウェイホテル、2022年秋開業へ…オートモビルカウンシル2021

2022年秋に開業予定の富士スピードウェイホテルを紹介するブース。トヨタGT-Oneが飾られていた。
2022年秋に開業予定の富士スピードウェイホテルを紹介するブース。トヨタGT-Oneが飾られていた。全 6 枚

未来都市ウーブン・シティが大いに脚光を浴びているトヨタだが、実は同じような都市構想といったら大袈裟だが、一つのアミューズメントスペースが着々と出来つつある。

それが富士スピードウェイホテルとモータースポーツビレッジの建設である。昨年(2020年)のオートモビルカウンシルで、その構想が明らかになったこの計画、開発の母体となるのは東和不動産という会社だが、実はこの会社、トヨタグループの傘下企業。そもそも富士スピードウェイにホテルを作るのだから、まあトヨタが関与していることは明確だ。

ホテルが出来るのはかつてメインゲートと呼ばれ、今は西ゲートと呼ばれるようになったゲートの北東側。どのような部屋のレイアウトになるか不明だが、北東側は富士山ビュー、逆に南西側は富士スピードウェイの最終コーナーを望むロケーションである。

ハイアットグループが手がけるラグジュアリーホテル

富士スピードウェイ西ゲートに建設予定の「アンバウンドコレクションby Hyatt」富士スピードウェイ西ゲートに建設予定の「アンバウンドコレクションby Hyatt」
そしてこのホテルはアンバウンドコレクション by Hyattという、世界的ホテルチェーン、ハイアットグループが手掛ける。ハイアットといえば日本でもパークハイアット、グランドハイアットなど数々のホテルがあり、それぞれある種の格付けがなされている。驚いたことにハイアットのブランドは今20種を数え、その中のアンバウンドコレクション by Hyattは日本初上陸。

ハイアットグループのホテルは大きく分けて、タイムレス、バウンドレス、インディペンデントの3つのグループに別けられ、アンバウンドコレクションは最後のインディペンデントコレクションのグループ内に位置付けられたもの。その特徴はストーリーテリングというコンセプトの元、例えば歴史遺産の中にいるような雰囲気であったり、有名観光地の中にいる雰囲気を醸し出して、唯一無二の体験が出来るようなロケーションであったり、建造物が使われているホテルなのだそうだ。

今回の場合はモータースポーツの臨場感や歴史が体験できるホテルとなっていて、館内にモータースポーツミュージアムが併設され、モータースポーツの歴史絵巻を体験できるようになっているという。アンバウンドコレクションは現在世界に24か所存在し、近々中国の万里の長城の近隣にもオープンするそうだ。因みにアンバウンドコレクション by Hyattも当然ながら5つ星クラスのラグジュアリーホテルである。

新東名から直結、新たな遊び場

トヨタGT-OneトヨタGT-One
ホテル内のミュージアムはホテルに泊まらなくてももちろん見学が可能である。このミュージアムの監修はトヨタ博物館が行い、トヨタ車のみならず、他メーカーのレーシングカーなども集められる。現在鋭意交渉中だそうだが、ルマンに勝ったマツダ『787B』はほぼ展示されることが決まっているそうだ。

また西ゲートの前を通る道路の南側には、かつてレース村などと呼ばれたレーシングチームの工場が点在していたが、ここを整備しグランピング施設、イベントスペースなどが作られる。そしてレーシングチームのファクトリーは、それ自体を見学できるガレージ見物ツアーなども計画されている。

この新しいホテルを中心とした施設は、何もクルマ好き、レース好きだけではなく家族そろって楽しめそうな要素が詰まっている。そして有り難いことに現在建設中の新東名高速道路のPAからスマートゲートを出ると、これら施設にほぼ直結という、利便性の高さも人気を呼びそうな要素である。新たな遊び場が、富士の裾野に誕生する。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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