ニュートラルで下り坂? プジョー3008 GT HYBRID4のヒルディセントコントロールを試した[動画]

プジョー3008 GT HYBRID4のヒルディセントコントロールを試す
プジョー3008 GT HYBRID4のヒルディセントコントロールを試す全 22 枚

プジョー『3008 GT HYBRID4』には、ヒルディセントモードというものがある。これを急こう配の未舗装路(砂利道)で試す機会を得たので紹介する。

【画像全22枚】

プジョー3008 GTは1.6Lガソリンターボエンジン、2.0Lディーゼルターボエンジンの他にプライグインハイブリッド(PHEV)4WDの3種類のパワートレインが用意されている。内燃機関(ICE)モデルは2WDだが、PHEVは4WDの設定となる。

2WDモデルには、アドバンスドグリップコントロールという、走行条件に応じたトルク制御とブレーキの独立制御を自動的の行ってくれる機能がある。走行モードはスノー、マッド、サンドの3種類でそれぞれ最適なトルク制御やブレーキ制御を行ってくれるが、さらに急な(勾配5%以上)下り坂で速度を自動で5km/h以下に抑えてくれる「ヒルディセントコントロール」機能も持っている。

4WDモデル、つまりPHEVを選択すると、じつはアクティブグリップコントロールはなくなり、ヒルディセンドコントロールだけとなる(これ以外のアクティブセーフティ機能やADAS機能は変わらない)。その理由は、4WDモデルは、モード設定なしに常に最適な前後トルク配分、トルク制御、ブレーキ制御(スリップ制御)を行ってくれているので、切り替えスイッチなど設定がそもそも必要ないからだ。

それに2WDと4WDでは、トルク制御の考え方がそもそも異なる。4WDではPHEVとしてモーター駆動による制御も加味されるため、FF用のアクティブグリップコントロールの機能はそのままでは使えない。ただし、ヒルディセントコントロールは駆動方式にかかわらず有効なため、モード(スイッチ)が残っているわけだ。

3008 GT HYBRID4のヒルディセントコントロールの実力はどの程度だろうか。テストした場所は群馬県長野原町、このゴールデンウィークにオープンされるという「あさま空山望」というリゾート施設の「天空の道」という散策コース。本来は施設内専用の電動カートでアクセスできる道だ。最大傾斜は10度はあろうかという細い砂利道だ。正確な斜度は不明だったが、見た目の感覚ではスキー場の中級コースくらいの傾斜だ。

ガードレールもない道路で若干恐怖を感じるが、その分眺望は格別だ。観光地の展望台というよりドローンの空撮映像をみているような気分になれる。

ヒルディセントコントロールは、センターコンソールのボタンでON/OFFできる。傾斜や状況はクルマが判断してくれるので、平地からONにしておいても問題はない。ONの状態で、5%以上の勾配を検知するとブレーキとアクセルの制御が入る。5%の勾配というと、クルマのCMで有名な「ベタ踏み坂」が5~6%だ。角度にすると3度くらいだ。

制御が入ると、センターメーターに「低速ディセントコントロール作動」というメッセージが表示され、緑色のインジケーターが点滅する。このときメーターには「ギアをニュートラルにしろ」という表示も現れる。感覚的に下り坂でギアをニュートラルにするのはありえないが、駆動もブレーキも電子制御になるので、むしろエンジンからのトルク(アクセル操作)は邪魔なのだろう。ここは機械を信じて「N」レンジに入れるのが正解だ。

万が一のためブレーキ操作の待機は必要だが、ペダル操作をしなくても速度は5km/h以下に抑えられゆっくりと坂をくだっていく。ハンドル操作に集中できるので、今回のような狭い道でも楽だ。途中につづら折りのヘアピンカーブがあるのだが、そこも急坂を落ちていくような恐怖はまったくない。追従型のクルーズコントロールと同じで、少し慣れればこの楽さは非常にありがたい。

類似の機能は、他のSUVやクロスカントリー4WD車にも存在するが、3008 GTのヒルディセントコントロールは、慣れない狭い下り坂や雪の下り坂などで力強いアシストをしてくれるだろう。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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