地下駐車場の恐怖、CO2放出の消火設備誤作動で4人死亡[新聞ウォッチ]

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こんな場所にもあの二酸化炭素(CO2)が使用されているとは、恥ずかしながら知らなかったが、それにしても働き盛りの5人の男性作業員が犠牲になってしまったことは、何とも気の毒でいたたまれない。同時に、身近にある駐車場がこんな危険と隣り合わせでもあるという恐怖を覚えた。

東京・ 新宿区のマンションの地下駐車場で天井の張り替えを行っていた作業員の男性6人が中に閉じ込められ、1人は自力で外に出て無事だったが、4人が死亡し、1人の男性も重体という惨事に見舞われた。現場からは通常の空気中の濃度の数百倍に当たる二酸化炭素が検出されたということで、駐車場の消火設備が何らかの原因で誤作動した可能性があるとみて調べているという。

きょうの各紙にも「地下駐車場4人死亡、CO2消化ガス噴出」(読売)などと、社会面のトップ記事で報じている。それによると、現場の駐車場には二酸化炭素を放出するタイプの消火設備があり、現場に到着した東京消防庁が測定したところ20%を超える濃度の二酸化炭素が検出されたという。この数値は通常の空気中の濃度の数百倍に当たり、10%以上になると数分以内に意識がなくなり、放置すれば死に至ることもあるそうだ。

地下駐車場では、作業員らが消火用の二酸化炭素ガスを吸い込んで死亡する事故がこの半年の間に相次いでいるという。ではなぜ、そんな危険な消火設備を使用するのかと疑いたくもなるが、「自動車のガソリンに引火した際の消火に効果的なため、地下駐車場に設置されることが多い」(毎日)。また、消火設備では安全性が高いと言われる窒素を使うものなどもあるが、ボンベの数が増えてコストが高くなってしまうほか、フッ素系の薬剤が使用さ れている「泡消火設備」では、消火後に車両に付着した泡が落ちにくいなどの難点もあるため、二酸化炭素を放出するタイプが増えているという。

世界で脱炭素の流れが加速しているが、自動車の電動化の議論も大切だが、身近な地下駐車場などで使われるCO2の安全対策の見直しも喫緊の課題だろう。

2021年4月16日付

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《福田俊之》

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