アウディ A6コンセプト、ポルシェと共同開発の次世代EV車台を初搭載…上海モーターショー2021

すでに市販EVを6車種発表しているアウディ

PPEベースのアウディ車は2022年後半から順次発売

PPEにより背の低い「スポーツバック」にEVを展開することが可能に

アウディ A6 e-tron コンセプト(上海モーターショー2021)
アウディ A6 e-tron コンセプト(上海モーターショー2021)全 14 枚
アウディは4月19日、中国で開幕した上海モーターショー2021(オートシャンハイ2021)で初公開した『A6 e-tron コンセプト』(Audi A6 e-tron concept)に、ポルシェと共同開発した次世代のEV向け車台「PPE」を初搭載した、と発表した。

◆すでに市販EVを6車種発表しているアウディ

アウディは2018年、ブランド初の市販EVとして、『e-tron』を発表した。それ以来、アウディは3年以内に、製品ラインナップ全体に電動化モデルを拡大してきた。

アウディ『e-tron』とそのSUVクーペ版の『e-tron スポーツバック』に続いて、2021年2月にはポルシェと共同開発した新しい技術プラットフォームをベースにしたEVスポーツカー『e-tron GTクワトロ』とその高性能版の『RS e-tron GT』 を発表している。

そして、2021年4月には、『Q4 e-tron』とそのSUVクーペ版の『Q4 e-tronスポーツバック』を発表した。コンパクトセグメントに投入される2台の電動SUVは、技術プラットフォームにフォルクスワーゲングループの「MEB」を採用している。アウディ A6 e-tron コンセプト

◆PPEベースのアウディ車は2022年後半から順次発売

上海モーターショー2021で初公開されたA6 e-tron コンセプトには、すでに発表されているこれらのEVとは異なり、新しい技術プラットフォームの「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)」をベースにする。PPEは、最初は大型セグメントに、後にミッドサイズセグメントとフルサイズセグメントに導入する計画。PPEはモジュラー車台で、アウディのリーダーシップの下、ポルシェと共同開発されている。PPEプラットフォームをベースにしたアウディの量産車は、2022年の後半から順次発売される予定だ。

PPEを使用した車両は、グローバル市場に適応するように設計されており、世界の主要な市場へ投入される。アウディは、欧州の製造拠点と中国の両方で、PPEベースのEVを生産する予定だ。この目的のため、中国・長春に新しい工場が建設されており、2025年までには、PPEテクノロジーを搭載したアウディのEVがラインオフする見通し。この新工場は、アウディと第一汽車の中国合弁、一汽フォルクスワーゲンが共同で運営する。

PPEは、幅広いモデルに対応できるように設計された最初のプラットフォームだ。背の高いSUVやクロスオーバー車だけでなく、『A6』シリーズなど、車高の低いアウディの主力車種も含まれている。さらに、PPE搭載のモデルラインナップは、ミッドサイズセグメントにも拡大される予定。ミッドサイズセグメントは、アウディにとって最も販売台数の多い市場セグメントとなっている。また、PPEは、最上位のフルサイズセグメントの車両の開発でも、技術プラットフォームとして利用することが可能という。アウディ A6 e-tron コンセプト

◆PPEにより背の低い「スポーツバック」にEVを展開することが可能に

PPEにより、SUVモデルよりも乗用車を好む顧客に対して、EVをラインナップできるようになる。そのひとつの例が、アウディブランドが幅広く展開している「スポーツバック」。アウディA6シリーズ初のスポーツバックを提案したA6 e-tron コンセプトも、その1台になるという。

その結果、アウディは、量産セグメントのミッドサイズおよび大型セグメントに車両を投入することで、EVのラインナップを効果的に拡大することができるという。さらに、スケールメリットを活用することで、ラグジュアリークラスのテクノロジーと幅広いモデルバリエーションを、プレミアム市場の幅広いモデルラインナップに展開することが可能になる。

これは、アウディの1台当たりの燃費とCO2排出量の削減にもメリットをもたらす。PPEは、量産モデルとさまざまなモデルを介して、eモビリティへの急速な移行を推進する、としている。

《森脇稔》

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