CNG・LPG車市場は年15.5%で成長、5年後に440万台規模 予測

タクシーはLPG車が多い。
タクシーはLPG車が多い。全 1 枚

CNG(=圧縮天然ガス)・LPG(=液化石油ガス)車の市場規模は、2021年の213万5000台の販売から年率15.5%で成長し、2026年には438万9000台に達すると予測される---。

米国ダラスに本社を構えている世界の有力調査・コンサルティング会社MarketsandMarkets(マーケッツアンドマーケッツ)のレポートだ。グローバルインフォメーションは、市場調査レポート『CNG車・LPG車の世界市場(~2026年):車体タイプ(乗用車・三輪車・商用車)・燃料区分(CNG・LPG)・キットタイプ(ベンチュリ・シーケンシャル)・設置区分(OE・アフターマーケット)・エンジン&システム・地域別』(発行:MarketsandMarkets)の販売を4月14日より開始した。

レポートによると、各国政府がCNGやLPG用インフラ整備に投資を増やし、消費者にインセンティブを与えることで、メーカーは収益源と地理的プレゼンスを拡大したという。

アジア太平洋市場では、コスト効率の良い低公害車への需要が強いことから、安定した成長が見込まれている。北米市場は、政府の取り組みや高性能な商用車セグメントの成長により、最も急速に成長している市場だ。しかしながら、CNGやLPGの補給所が少ないこと、初期投資にかかるコストが高いこと、性能面での制約があることなどが、市場の成長を妨げる可能性がある。

CNG・LPG車の運用コストはガソリン車に比べて非常に低い。ガソリンの価格が需要の増加と埋蔵量の減少により上昇している今日、CNGやLPGのような代替燃料は、車を頻繁に運転する人にとっては経済的な選択肢だ。CNG・LPG車の初期費用はガソリン車に比べてコスト増となるが、これは燃料費の差によって数年の運転でリカバーできる。

さらにレポートによると、石油価格の大幅な値上げに対して、CNGやLPGの価格上昇ははるかに低いという。これは、CNG車やLPG車が市場シェアを拡大するための重要な要因となる。CNG車は平均すると燃料1kgあたり約21kmの走行が可能だが、ディーゼル車は約17km/L、ガソリン車は約15km/Lとなる。

市場の抑制要因は、ガソリン車に比べて高い維持費と初期投資コストだ。CNG・LPG車の価格はガソリン車よりも高い傾向にある。これは、ガソリン車と比べると、追加される部品があるからだ。これは前述のように燃料費の差によって埋められる。

またCNG・LPG車では燃焼室温度がガソリン車に比べて高く、長期的にはメンテナンスコストが高くなる。これらのことから、CNG・LPG車を利用するのは、月々の使用頻度が多いユーザーとなる。広範囲に渡って走行する場合にのみ費用対効果が高くなる。

《高木啓》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スイスポ最終モデルの完全進化形! BLITZが手掛けた“走りと快適”の完熟セットアップPR
  2. BMWの電動スクーター『CE 04』、3つの新デザインバリエーション発表
  3. 山陽道・福山SAにガシャポン専門店、中国地方初 7月18日オープン
  4. これが最後のガソリンエンジンか!? BMW『X5 M』が歴代最強の700馬力オーバーに
  5. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る