【Stay Home Books】開発責任者が記す、ホンダNSXは「なぜ」完成したか

NS-X(1989年)。初代NSXのプロトタイプ。
NS-X(1989年)。初代NSXのプロトタイプ。全 6 枚

『ホンダNSX 特別限定版』
ホンダ初のミッドシップ・スポーツカー開発史
著者:NSX開発総責任者(LPL)上原繁
発行:三樹書房
定価:6600円
ISBN978-4-89522-748-3

ホンダ『NSX』誕生30周年記念として、既刊の『ホンダNSX ホンダ初のミッドシップ・スポーツカー開発史』をベースに製作した、コレクターズアイテム愛蔵版が300部限定で製作された。

専用の外箱には、NSXのルーツとなるNS-Xプロトタイプ(1989年)を表面に、2005年に投入されたNSX-R GTを裏面にカラーにて収録。表紙は特別愛蔵版専用の黒基調の装丁とされた。また特典として、NSXの開発総責任者(LPL)の上原繁氏による直筆サイン入りのカード(初期型NSXのカラー写真をレイアウト)が入っている。最終仕上げはすべてハンドメイドで行ない、製作番号No. 001~300の検印が貼付されている。

そもそもNSXの開発は1984年1月に始まったCQ(高効率追求)プロジェクトにまで遡る。これまでのFFを超える優れたスペースユーティリティとハンドリング性能を持つ小型乗用車のためのリサーチプロジェクトだった。駆動方式はUMR(アンダーフロアー・ミッドシップ・リアドライブ)であった。そのプロトタイプの1台は『シティターボII』をベースにリアにエンジンを搭載するなどでテストを繰り返した。そこで様々な問題点に直面することで、一旦プロジェクトは中断するものの、その後のNSXの開発に結び付いていく。

こういった多くのエピソードは外部には伝わりにくいことが多く、それらを含めて一読の価値のある1冊である。
『ホンダNSX 特別限定版』『ホンダNSX 特別限定版』

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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