【SUPER GT 第2戦】11番手スタートから追い上げた#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)が優勝

GT500クラス優勝の#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)
GT500クラス優勝の#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)全 11 枚

静岡県・富士スピードウェイで4日、SUPER GT第2戦の決勝レースが行われ、GT500クラスは#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)が、GT300クラスは#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)が優勝した。

SUPER GTは普段300kmの距離で争われるが、第2戦は500kmレース。ピットストップも2回行われ、300kmのレースとは違う戦略が必要となる。ドライバーも3人目が認められ、#1 STANLEY NSX-GTの牧野任祐が病気療養から復帰し第3ドライバーとして登録された。GT500クラスはこの1チームだけだが、GT300クラスでは4チームが第3ドライバーを起用し、500kmの長丁場に備えた。

決勝レースは110周。予選2番手の#8 ARTA NSX-GT福住仁嶺がスタートを決めてトップに浮上し、ポールポジションの#19 WedsSport ADVAN GR Supra宮田莉朋は6位まで落ちた。2位に上がってきたのは予選4番手の#36 au TOM'S GR Supra坪井翔。3位は予選3番手の#38 ZENT CERUMO GR Supra石浦宏明、5位は予選6番手の#14 ENEOS X PRIME GR Supra山下健太というオーダーとなった。

3周目に7位を走行していた#23 MOTUL AUTECH GT-Rロニー・クインタレッリのマシンがトラブルでストップ。これで今回から導入されたFCY(フルコースイエロー=全コース追い越し禁止となり、60km/hで間隔を保って走行)が提示された。リスタートは7周目。2位の#36 au TOM'S GR Supra坪井は一気にトップに並びかけ、そしてオーバーテイクに成功。その後は#36 au TOM'S GR Supraと#8 ARTA NSX-GTがトップ争いをする展開となった。

30周を過ぎた辺りから1回目のピットストップが始まった。32周目に再びFCYが入り後方では大きく順位が変動した。しかし上位はピットストップを引き伸ばしていたため順位はそのまま。33周目のリスタート後も#36 au TOM'S GR Supraと#8 ARTA NSX-GTがトップ争いを続けていた。

#36 au TOM'S GR Supra坪井は38周目にピットインして関口雄飛にドライバー交代。#8 ARTA NSX-GT福住は40周目にピットインして野尻智紀にドライバー交代。しかしコースに戻ってみると、11番手スタートから徐々に順位を上げ、先にピットインを済ませていた#17 Astemo NSX-GTベルトラン・バゲットがトップに浮上し、#8 ARTA NSX-GT野尻は4位に転落していた。この時点で2位は#36 au TOM'S GR Supra関口、3位は#14 ENEOS X PRIME GR Supra大嶋和也というオーダーになった。

68周目にトップの#17 Astemo NSX-GTがピットインし、そこから続々と2回目のドライバー交代が始まった。2回目のピットストップが完了したのは82周目。この時点で#8 ARTA NSX-GT福住がトップ、1秒遅れで#17 Astemo NSX-GT塚越と、NSX-GTによるトップ争いへと状況が変化していた。2台のNSX-GTは各コーナーごとに順位が入れ替わる激しいバトルを展開。その間に3位#36 au TOM'S GR Supra坪井が一気に差を詰め、3台による優勝争いへと変化していった。

89周目、#36 au TOM'S GR Supra坪井が#17 Astemo NSX-GT塚越を捉えて2位に浮上しトップを追った。ところが#8 ARTA NSX-GT福住はイエローフラッグ区間で追い越しを行ったとの裁定が出てドライブスルーペナルティ。これで#36 au TOM'S GR Supra坪井は難なくトップに浮上かと思われたが、トラブルが発生しストップ。なんと#17 Astemo NSX-GT塚越がトップに返り咲いた。

後方からは#14 ENEOS X PRIME GR Supra山下がトップに迫る。残り11周、2台は激しいトップ争いを繰り広げたが、#17 Astemo NSX-GT塚越はトップを守りきりフィニッシュ。今年KEIHINからAstemoにチーム名が変わってからの初優勝を飾った。

2位は#14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)。3位は残り3周で順位を一つ上げた#37 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南)。最後尾スタートから素晴らしい追い上げをみせた#1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/武藤英紀/牧野任祐)が4位でフィニッシュした。

GT300クラスは#52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)が後続を5秒以上離してトップを快走していたが、残り7周でトラブルが発生しリタイヤ。最後は#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)、#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)、#55 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮)による三つ巴の優勝争いとなったが、60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTがチトップを守りきり優勝。2位は#61 SUBARU BRZ R&D SPORT、3位は#55 ARTA NSX GT3だった。

次戦、SUPER GT第3戦は5月29日・30日の日程で鈴鹿サーキットを舞台に開催される。

■SUPER GT第2戦富士、GT500クラス決勝結果(トップ10)
1. #17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)
2. #14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)
3. #37 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南)
4. #1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/武藤英紀/牧野任祐)
5. #3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)
6. #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
7. #19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)
8. #8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)
9. #12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治)
10. #64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)

■SUPER GT第2戦富士、GT300クラス決勝結果(トップ10)
1. #60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)
2. #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)
3. #55 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮)
4. #65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)
5. #10 GAINER TANAX with IMPUL GT-R(星野一樹/石川京侍)
6. #88 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)
7. #56 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)
8. #4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)
9. #18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/名取鉄平)
10. #2 muta Racing Lotus MC(加藤寛規/阪口良平/小高一斗)

《藤木充啓》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. 日本にはないアバルトの高性能SUV、『パルス アバルト』が大胆イメチェン!
  4. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  5. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る