【F1】レッドブル・ホンダを引っ張るマックス・フェルスタッペンの決意…「タイトルを獲るために、できることはすべてやる」

レッドブル・ホンダの若きエース、マックス・フェルスタッペン(写真はポルトガルGP)。
レッドブル・ホンダの若きエース、マックス・フェルスタッペン(写真はポルトガルGP)。全 8 枚

今季F1のチャンピオン有力候補、レッドブル・ホンダのエースであるマックス・フェルスタッペンが日本メディア向けのインタビュー対応を行ない、王座争いに臨む決意、“後輩”である角田裕毅について、日本GPへの期待感などを語った。

今季2021年のF1世界選手権シリーズは、絶対王者ルイス・ハミルトン(メルセデス)と若き挑戦者マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の正面対決の様相で進んできている。5月2日決勝の第3戦ポルトガルGPを終えて、ハミルトンが2勝・2位1回、フェルスタッペンが1勝・2位2回という戦績だ。

ホンダにとって参戦最終年ともなる今季、レッドブル・ホンダの大黒柱フェルスタッペンが自身初王座を射止めることができるか、レッドブル・ホンダとしての初王座獲得が最後に実現するのか? 日本にとっては、レッドブルの姉妹チームで走る新人・角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)の活躍と同じくらいの重要注目ファクターとなっている。

フェルスタッペン自身はどんな思いで今季に臨み、どういう手応えを得ているのか。ポルトガルGPのレースウイークの木曜日に、彼が語ってくれた。

レッドブル・ホンダの若きエース、マックス・フェルスタッペン(写真はポルトガルGP)。レッドブル・ホンダの若きエース、マックス・フェルスタッペン(写真はポルトガルGP)。

(このインタビューはレッドブルが現地で日本メディア向けの質問を本人に投げかけるかたちで実施し、その内容を日本メディアに展開したもの)

戦闘力あるマシン、「コースに行くのが本当に楽しみ」

#33 マックス・フェルスタッペン(写真はポルトガルGP)。#33 マックス・フェルスタッペン(写真はポルトガルGP)。

まず、今季が「レッドブル・ホンダ」としてのラストイヤーということをフェルスタッペンはどう実感しているのだろうか。

「もちろん、ホンダと走れる最後のシーズンになってしまうことは残念だよ。特に今年は(チャンピオンを狙える)トップレベルで走れているから、なおさらにね。一緒に最高のシーズンを過ごせるよう頑張るし、ホンダのためにも、ひとつでも多くのレースで勝利して最高のかたちでシーズンを終えたいと思っている」

エミリア・ロマーニャGPで今季初優勝を飾ったフェルスタッペン(左から2人目)。エミリア・ロマーニャGPで今季初優勝を飾ったフェルスタッペン(左から2人目)。

インタビュー時点での前戦、第2戦エミリア・ロマーニャGPでは今季初優勝を飾ったフェルスタッペン。今季のホンダ製パワーユニットとマシン(レッドブルRB16B)の良さに関してはこう語る。

「昨年に比べてエンジン(パワーユニット)の質はすごく上がった感触がある。レース中もエネルギーをうまく管理できていると思うよ。マシンについてはバランスがとても良くなっている。昨年の反省から学んで培った知識をしっかり使うことができているから、ドライブするのが楽しいマシンになっているんだ」

今回のインタビューに対応するフェルスタッペン。今回のインタビューに対応するフェルスタッペン。

「(シーズン開幕から戦闘力あるマシンで戦えているので)コースに行くのが本当に楽しみになっているし、コンペティティブなマシンだと分かっていることでモチベーションもさらに上がる。このまま勢いに乗っていきたいね」

どんなスポーツでもそうだと思うが、より戦闘力の高い状態のチーム環境でシーズンインすることは、選手の精神衛生の面にも相乗効果をもたらすようである。

今回のインタビューに対応するフェルスタッペン。今回のインタビューに対応するフェルスタッペン。

角田には「メンタルの強さがある」

マックス・フェルスタッペンは現在23歳。この若さにして既にF1通算11勝(今季第3戦終了時点)、参戦7年目を迎えている。今年、20歳でF1デビューを果たした日本の角田裕毅(つのだゆうき、5月11日で21歳)はレッドブルの姉妹チームであるアルファタウリで走っているが、フェルスタッペンもデビューはアルファタウリだった(当時のチーム名称はトロロッソ、PUはホンダ製ではなかった)。

今季、#44 ハミルトンと#33 フェルスタッペンの戦いは長く続いていきそうだ(写真はポルトガルGP)。今季、#44 ハミルトンと#33 フェルスタッペンの戦いは長く続いていきそうだ(写真はポルトガルGP)。

レッドブル・グループの後輩である現役最年少の新人をフェルスタッペンは次のように評価し、さらにはアドバイスを贈る。

「ユウキはシャイじゃないところがすごく良い。F1で成功するためには不可欠な要素だと思う。彼にはメンタルの強さがあるね。パフォーマンスについてはまだシーズンも始まったばかりだから、なんとも言えないよ。ユウキの存在はF1にとっても良いものであるし、彼は良い性格の持ち主だ。成功することを願っている」

シーズンの最後に、フェルスタッペンとレッドブル・ホンダは“世界の頂点”で歓喜することができるだろうか(写真はポルトガルGP)。シーズンの最後に、フェルスタッペンとレッドブル・ホンダは“世界の頂点”で歓喜することができるだろうか(写真はポルトガルGP)。

「(アドバイスするとすれば)まずはリラックスすることかな。前進するためには力を抜くことが必要だ。失敗することだって重要だろう。ミスをするならルーキーのうちにしておいた方がいいしね」

鈴鹿は「最高のコース。優勝したい」

今季は史上最多となる全23戦の予定。コロナ禍の影響で昨年は開催されなかった日本GPもスケジュールされている。フェルスタッペンは鈴鹿サーキットで再び戦えることに大いなる期待を抱いているようだ。

「鈴鹿でのレースはいつも楽しんでいるからね。コースは最高だし、いい思い出もたくさんある。ホンダの最後のF1シーズン…ひとまずは、だと思うけど(笑)、それだけに(より一層)しっかりと仕事を果たして、できれば優勝したいと考えている」

日本のファンの多くが「今年こそフェルスタッペンが王座に就く」と期待しているだろう。

「僕もそう願っているよ。僕たちのマシンは競争力が上がっている。チャンピオンシップを獲るために、できることはすべてやるつもりだ」

必ずやこのチャンスをものにする、強い決意が言葉に滲むレッドブル・ホンダのエースは、最後に日本のファンに対してのメッセージを語ってくれた。

「みなさん、いつも応援ありがとう! 僕にとっても、チームのみんなにとっても、本当にありがたいことだ。今年はもっとたくさん良い結果を残せたらいいなと思っている。全力を尽くすよ」

王者ルイス・ハミルトンとの戦いは決してラクではないだろう。全身全霊をかけて、マックス・フェルスタッペンはF1の頂点獲りに挑む。

F1の次戦は連戦日程で迎える第4戦スペインGP(5月7~9日)。鈴鹿での日本GPは10月8~10日に予定されている。

《遠藤俊幸》

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