【ベンガルール通信 その5】 「有料化」の動機と背景

写真註: ある日突然、カラフルに塗られた交差点。駐車可とも禁止とも、その意図は明らかでない。。。
写真註: ある日突然、カラフルに塗られた交差点。駐車可とも禁止とも、その意図は明らかでない。。。全 1 枚

南インドよりナマスカーラ!

日本でも報道される通り、インドは目下、第二波の真っ只中。二重・三重の変異株が報告され、欧米各国が相次いで医療支援を表明している。豊富な国内製造能力を背景に当初は周辺国への「ワクチン外交」も謳っていたが、一転して輸出凍結。更に、ロシア製剤の導入・国産化も表明して、一気に180度以上の政策転換を図った。野党からは「提言」という体裁での政権批判もなされるが、国民の健康・命を少しでも守れる施策を試す前から否定すべき正当性もない。手近な現実策をさっさと積み重ねて「結果オーライ」に持ち込むJUGAAD*の手法は、VUCA時代の危機管理に向いている。当地ベンガルールも4月下旬に向けて夜間と週末の外出禁止が発令されたかと思えば、最終週から2週間のロックダウンに入った。

(*JUGAAD = 割り切りによる型破り。直面する障害・制約を創意工夫で乗り越えようとするインドの精神・考え方。目的を簡潔に捉え、現実解を手早く重ねて成功を導くやり方)

奇しくも日本の何度目かの何とか宣言と期を同じくした、1年ぶり2度目の強制措置。前回の経験に学んだ市民の冷静な対応ぶりが印象的だ。政府が「発令」を決したことをまずいち早く伝えたのはSNS。多言語・多民族・多文化の当地において、市民を漏れなくカバーするテレビや新聞は存在しないし、「フェイク」でなくてもどこまで真実か疑わしい情報が「メディア」を飛び交うことも少なくない日常がある。流暢に英語や現地語を話す者が、必ずしも文字を読めるとは限らないから、家族や友人からの「口伝て」が何より信頼できる情報源。従って、気心の知れた仕事や学校や趣味のグループの誰かからの情報は、自らが所属する他のグループにForwardされ瞬く間に拡散される。

《大和 倫之》

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