【メルセデスベンツ Eクラスセダン 新型試乗】「W124」当時の面影が残る…渡辺陽一郎

メルセデスベンツ Eクラスセダン(E200スポーツ)
メルセデスベンツ Eクラスセダン(E200スポーツ)全 16 枚

大幅なマイナーチェンジを受けたメルセデスベンツ『Eクラス』は、直列4気筒1.5リットルターボからV型8気筒4リットルツインターボまで、さまざまなエンジンを用意する。この中で最も小さな1.5リットルターボを搭載するセダンの「E200スポーツ」を試乗した。マイルドハイブリッドも採用されて価格は769万円だ。

運転席に座って前方を眺めると、ボンネット上の盛り上がりが少し目障りだ。それでも全長が4955mm、全幅は1850mmに達する割に、ボディの四隅を把握しやすい。後輪駆動車とあって最小回転半径も5.4mに収まる。

メルセデスベンツ Eクラスセダン(E200スポーツ)メルセデスベンツ Eクラスセダン(E200スポーツ)
発進させると1.5リットルターボはノイズが少し粗い。一般的には不満のない水準だが、Eクラスとなれば、2000~3000回転の実用域はもう少し静かであって欲しい。

エンジン特性は良好だ。1300回転以下では駆動力が落ち込むが、1500回転以上になるとターボの過給も立ち上がり、2.7リットルのノーマルエンジンに匹敵する性能を発揮する。

最近のターボを備えたメルセデスベンツはどれもパワフルだが、自然吸気の時代は、控え目な動力性能と優れた走行安定性の組み合わせが特徴だった。W124の「230E」などはその典型で、現行型のE200には当時の面影が残る。ノイズは要改善だが、動力性能はこの程度がちょうど良い。

メルセデスベンツ Eクラスセダン(E200スポーツ)メルセデスベンツ Eクラスセダン(E200スポーツ)
走行安定性は操舵感が正確で4輪の接地性も高いが、試乗車は19インチタイヤを装着していたから乗り心地が少し硬い。設定はないが17インチにすると、空気充填量も適度に高まり、操舵感も穏やかになって上品な乗り心地になると思う。

フロントマスクは、「E450エクスクルーシブ」のように、小さなエンブレムをグリルの上に立てたタイプを幅広いグレードで選べるようにして欲しい。グリルの中央に大きなエンブレムが収まるフロントマスクは、ブランドをひけらかしているように見えてしまう。伝統のあるブランドでは、こういった部分にこだわりたくなる。

メルセデスベンツ Eクラスセダン(E200スポーツ)メルセデスベンツ Eクラスセダン(E200スポーツ)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. どこだ? 日産が7工場を閉鎖予定---可能性のある工場すべてをリストアップした
  2. 地面が光る「埋込型信号」が日本初導入、「横断歩道がわかりやすくなった」効果に期待
  3. もしも流行の「2段ヘッドライト」がなかったら…!? 一流デザイナーが斬新なフロントマスクを提案
  4. トランプ関税に「ジタバタしない」姿勢のトヨタも、米国市場で7月1日から値上げ[新聞ウォッチ]
  5. 東京外環道、千葉県内の4つのインターチェンジがETC専用に…9月2日から
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る