【ホンダe 新型試乗】約40万円高い「アドバンス」がオススメの理由…丸山誠

ホンダe
ホンダe全 16 枚

2021年4月、ホンダの新社長となった三部敏宏氏は、就任会見でEV、FCVの販売比率を2040年にグローバルで100%と発表した。

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会見後の質疑応答では「脱ガソリンエンジン」一択でないことを匂わしたが、いずれにしろカーボンニュートラルの方向に進まざるを得ないことは確かだ。ホンダは先進国全体でEV、FCVの販売比率を2030年に40%、2035年には80%にするという。ホンダの今後を左右するモデルといっても過言ではないのが、EVの『ホンダe』だ。

EVの専用車プラットフォームを持ち、リヤにモーターを配置するRR(リヤモーターリヤ駆動)というのも大きな特徴。重要なバッテリーはフロア下にレイアウトされ、インバーターなどの補機類がフロント(従来のエンジンルーム)に搭載されている。まずは、このクルマがヨーロッパで売れてくれないと困るわけで、各自動車メーカーがEVを続々と登場させるのは、ヨーロッパの規制が背景にあるからだ。

革新性あふれる装備

スタイリングはショーモデルとほぼ同じでドアミラーを廃止してカメラとモニターを装備する。チャージイエローのカラーは、遠くからでもよく目立ち、ホンダeであることがよくわかる。通常のドアミラーがないためか、よりコンパクトに見え、一見すると軽自動車と間違えてしまいそうなほどだ。

インパネには5つのディスプレイを水平配置(世界初)するワイドビジョンインストルメントパネルを採用し、両サイドはサイドカメラ用のディスプレイとなっている。これは視認性がよく、ドアミラーに慣れたドライバーでも違和感がなくすぐに慣れるはずだ。

スマートフォンがキーの代わりにもなるのも特徴で、Bピラーにスマホを近づけると解錠、そのままイグニッションオンにできる。また、Hondaパーソナルアシスタントは、クラウドAIによる音声認識と情報提供が可能で、「OK Honda」と呼びかければ、簡単に操作が可能だ。

コンパクトカーとして平均以上の動力性能

走り出しからRRらしいトラクションのよさが伝わってくる。リヤタイヤが地面を蹴っている感じがわかるようにちょっとスクォートする(前が浮き上がり、後ろが沈む)ような姿勢で発進する。このときステアリングに余計なトルク感がないのがFF車との大きな違いで、真っ直ぐに加速するだけでもフロントタイヤで駆動していないことがスッキリとしたステアリングの手応えで改めて確認できる。

試乗会場には裏路地のような狭いコースが設定されていて、ここでステアリング舵角の大きさとコンパクトボディであることを実感した。狭く直角に曲がるようなところは、通常のFFコンパクトカーではとても一発で通過できないが、舵角が大きいためスイスイと切り返しなしで通過できてしまった。FFはどうしても舵角を大きく設定することができないが、RRなどの後輪駆動はフロントを駆動するメカが必要ないため、このように曲がることができるわけだ。

動力性能はコンパクトカーとしての平均以上を確保している。首都高速での合流加速もなんとかリードできるだけの余裕があるし、そこから踏み込んでもスムーズに加速。さすがに高速域では加速がちょっと鈍るが、コンパクトカーだから十分に納得できる。

オススメグレードは約40万円高い「アドバンス」

オススメグレードは、標準車ではなく約40万円高い「アドバンス」がいい。装備が充実しているうえに停電時に安心なAC1500W電源も装備している。さらに家屋に給電するV2Hはもちろん、機器などの電源となるV2L(Vehicle to Load)にも対応。災害が多くなった日本では、停電などに備えるバックアップ電源車としても機能するわけだ。

気になるのは日本での販売計画台数だ。ホンダは発表時に年間1000台とし、複数期間に区切って注文を受付けする方式にしている。現在のオーダースケジュールは、第三期で数百台を受注。2021年2月4日から受付け、納車時期の目安は2021年5月からとなっている。

バッテリー供給の課題もあるが、日本での販売がもっとスムーズになるようにしてもらいたいし、価格はもっと下げてほしい。標準車でも451万円は高く、補助金を受けてもコンパクトEVとしては価格設定が高い。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★

丸山 誠|モータージャーナリスト
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。先進安全装備や環境技術、キャンピングカー、キャンピングトレーラーなどにも詳しい。

《丸山 誠》

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