【WRC 第5戦】王者オジェが今季3勝目、これでトヨタは5戦4勝…2戦連続4位の勝田貴元がランキング5位に上昇

トヨタ・ヤリスWRCの#1 セバスチャン・オジェ組がサルディニア戦を制した(コ・ドライバーはジュリアン・イングラシア)。
トヨタ・ヤリスWRCの#1 セバスチャン・オジェ組がサルディニア戦を制した(コ・ドライバーはジュリアン・イングラシア)。全 8 枚写真をすべて見る

現地6日、世界ラリー選手権(WRC)第5戦「ラリーイタリア・サルディニア」が最終日を迎え、トヨタ・ヤリスWRCに乗る前年王者セバスチャン・オジェが今季3勝目をあげた。トヨタは今季5戦4勝。勝田貴元が前戦に続く4位となり、ドライバーズランキングで5位に上がっている。

前戦ポルトガルから“中1週”のタイトな日程で迎えた第5戦は、イタリア・サルディニア島での一戦。昨年はコロナ禍の影響で10月の開催だったが、今年は近年の通常開催時期に戻っている。前戦に続くグラベル(未舗装路)ラリーだ。

ラリー最前線の展開は前戦に似たような雰囲気で推移した。ヒュンダイi20クーペWRC勢が有利かと思われた雰囲気の序盤(金曜)から、気がつくとトヨタ・ヤリスWRC勢が優位な戦況に。

選手権順位上位者が原則的に不利とされるラリー序盤の出走順決定方式も作用している流れなのだろうが(現状はトヨタ勢が不利)、とにもかくにもヒュンダイにとって痛かったのは、トップを快走していた#8 オット・タナクが土曜にデイリタイアを喫してしまったことである(走路に出ていた石に乗り上げた際に生じたマシン損傷が原因とされる)。

優勝した#1 オジェ(トヨタ)。優勝した#1 オジェ(トヨタ)。

土曜途中の時点で首位はトヨタの#1 セバスチャン・オジェ。これをヒュンダイの#6 ダニ・ソルドが追い、3番手がトヨタの#33 エルフィン・エバンス、4番手にヒュンダイの#11 ティエリー・ヌービルという構図になった。

するとヒュンダイをさらなる痛手が襲う。#6 ソルドがマシン横倒しとなるアクシデントに遭遇してデイリタイア、ラリーは#1 オジェ、#33 エバンスのトヨタ1-2という展開に変わったのだ。前戦ポルトガルのとき以上に、流れはトヨタ優勢の度を強めることに。

2位の#33 エバンス(トヨタ)。2位の#33 エバンス(トヨタ)。

最終日(日曜)、ラリー総合の上位は順位不動のまま決着し、トヨタが#1オジェ、#33 エバンスの順で1-2フィニッシュ、そして3位にヒュンダイの#11 ヌービルという結果にサルディニア戦は収束した。ドライバーズランキングでもこの3人がトップ3として抜け出す格好になり、106点で首位のオジェは2連覇での通算8冠目獲得に向け、同僚エバンスに対するリードを11点に広げた(ヌービルに対するリードは29点)。

優勝した#1 オジェ(トヨタ)のコメント
「初日の出走順が1、2番手(と不利)だったにも関わらず、1-2フィニッシュを飾ることができたのは本当に素晴らしい。前戦のポルトガルでは自分は思うようなスピードで走れなかったが、その後すぐに改善がなされ、今回はいいフィーリングで走れたので嬉しかった。このリズムを維持することができれば、今後も自信をもってラリーに臨める。もちろん、(どんなに優秀な選手、陣営にとっても)そう簡単なことではないけどね」

3位の#11 ヌービル(ヒュンダイ)。3位の#11 ヌービル(ヒュンダイ)。

不利な先頭スタートでも遅れを最小限に留めたといえる金曜(初日)3番手の走りが、#1 オジェの勝利を引き寄せた遠因といえそうだ。#1 オジェは今季3勝目。トヨタは3連勝で今季5戦4勝、1-2フィニッシュ3回とした。

マニュファクチャラーズタイトル争いにおいてはランキング首位のトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)が、追うヒュンダイ(HYUNDAI SHELL MOBIS World Rally Team)との差を49点まで開いている(231対182)。

WRC第5戦の表彰式(中央左がオジェ。同右は優勝コ・ドライバーのイングラシア)。WRC第5戦の表彰式(中央左がオジェ。同右は優勝コ・ドライバーのイングラシア)。

今季、ヤリスWRCで全戦に出走している日本の#18 勝田貴元は2戦連続の4位入賞(自己最高位)。ドライバーズポイントランキングで前戦終了時の6位から、#69 カッレ・ロバンペラ(トヨタ、今回トラブルによるデイリタイアがありラリー総合25位)を抜いて5位へと浮上した。

#18 勝田貴元のコメント
「今回のラリーでの自分の戦いには満足しています。多くのことを学ぶことができましたし、ポジティブなことも多くありました。特に土曜日はいろいろなことが起き、コーナリングライン上にあった大きな石にぶつかってコースアウトしそうになるなど、危ない瞬間もありましたが、それでも完走することができたのは大きな収穫です。とてもいい経験をしましたし、次のラリーに向けていい学びを得ることができたと思います」

陣営スタッフたちと勝利を祝うオジェ。陣営スタッフたちと勝利を祝うオジェ。

なお、勝田は最終日、コ・ドライバーのダニエル・バリットが暑さによる脱水症状で気分がすぐれなかったため、彼にあまり負担をかけない慎重なドライブを心がけていたとのことである(陣営発表による。勝田のラリー総合4位は、土曜終了時点でほぼ上にも下にも動かないタイム差の状況でもあった)。

WRC第6戦は「サファリラリー・ケニア」、6月24~27日開催予定となっている。

#18 勝田貴元(トヨタ)は2戦連続の4位。#18 勝田貴元(トヨタ)は2戦連続の4位。

(本稿の順位、開催予定等は日本時間7日午後7時の時点でのWRC公式サイトの表示等に基づくもの)

《遠藤俊幸》

この記事はいかがでしたか?

ピックアップ