【トライアンフ ボンネビル ボバー 試乗】カッコだけで選んでも裏切られることはない…鈴木大五郎

トライアンフ ボンネビル ボバー
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細かいブラッシュアップが行われたボンネビル ボバー

リジット風フレームや、ソロサドルシートの採用等、レトロ感溢れるスタイリングが特徴的な『ボンネビル ボバー』。1940年代に流行した、余分のものを排除したボバースタイルを纏って2017年に登場。人気を博してきたボバーの2021年モデルは、イメージこそそのままに、細かいブラッシュアップが施されていた。

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燃料タンクは12リットルと3リットル容量を増やし、クルーズコントロールの新採用とあいまって、よりロングライドに適応。47mmフロントフォークやトルクアシストクラッチの採用。シートやメーター等も改良が施されている。

スタイリング重視で走りは二の次といったイメージを持たれる方もいるかもしれないけれど、その走りは想像を超えるレベル。まったくもって、カッコだけのマシンになっていないのだから安心していただきたい。

このスタイリングに似つかわしくないほどスポーティーに吹き上がる

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シート高は690mmと足つきも良好。そのうえで、前後上下にアジャストできるのも嬉しいところである。エンジンはユーロ5適合となり環境対応が施されるが、乗り味は相変わらずなご機嫌の良さ。豊かなトルクが極低回転域から湧き上がる。その湧き上がり方が非常に柔らかく、いかにも「良い燃焼をしている」といった印象である。

新たにトルクアシストクラッチが装備され、その操作性の軽さもスタート時にはメリットとなる。回転数を気にすることなくシフトアップを繰り返してもトルクの落ち込みはなく、それぞれの回転域において美味しいキャラクターを味わえる設定。ライディングモードもレイン・ロードが選べ、エンジンキャラクターとともに装備されるトラクションコントロールやABSの介入具合も最適化される。

そのうえで、このスタイリングに似つかわしくないと思わせるほどしっかりとスポーティに吹け上がるのも意外なところでもある。ストリートにおいては十分以上のパワフルさで、乗っているスタイリングを忘れそうになるほど。同時に、そのエキゾーストノートも万人受けする良い音色を持っている。

しっかりとした車体があるからエンジンを愉しめる

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そして、そのエンジンを堪能することが出来るのも、しっかりとした車体があるからでもある。さすがにバンク角はさほどないものの、剛性の弱さを感じさせることなくスポーティに走ることを許容する。ワイドな16インチのというやや特殊なサイズのフロントホイールながら、ハンドリングに重ったるさや曖昧さは感じられす、しっかりと作り込まれた走行性能を堪能することが出来るのである。

特殊なジャンルに思われるボバーであるが、カッコだけで選んでも裏切られることのない確かな走りをもったマシンとなっている。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
ハンドリング:★★★
扱いやすさ:★★★★★
快適性:★★★★
オススメ度:★★★★

鈴木大五郎氏鈴木大五郎氏
鈴木大五郎|モーターサイクルジャーナリスト
AMAスーパーバイクや鈴鹿8耐参戦など、レース畑のバックボーンをもつモーターサイクルジャーナリスト。1998年よりテスター業を開始し、これまで数百台に渡るマシンをテスト。現在はBMWモトラッドの公認インストラクターをはじめ、様々なメーカーやイベントでスクールを行なう。スポーツライディングの基礎の習得を目指すBKライディングスクール、ダートトラックの技術をベースにスキルアップを目指すBKスライディングスクールを主宰。

《鈴木大五郎》

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