ルノー メガーヌ に初のEV、プロトタイプ発表…航続は450km

ルノー日産三菱アライアンスが設計した「CMF-EV」プラットフォーム

モーターは最大出力217hp

30台のプロトタイプが今夏から公道走行テストを開始する予定

ルノー・メガーヌ E-TECH エレクトリック のプロトタイプ
ルノー・メガーヌ E-TECH エレクトリック のプロトタイプ全 11 枚
ルノーグループは6月7日、現在開発を進めているルノー『メガーヌ』(Renault Megane)のEV、『メガーヌE-TECHエレクトリック』のプロトタイプを発表した。

ルノーグループは2020年秋、ルノーブランドのEVコンセプトカー、『メガーヌeビジョン』を初公開した。同車は、EV専用の新開発「CMF-EV」プラットフォームをベースに、ルノーの将来のEVハッチバックを提案していた。ルノーによると、メガーヌeビジョンは、CセグメントEV市場におけるルノーの最初のステップになるという。

このコンセプトカーのテクノロジーが、メガーヌE-TECHエレクトリックに導入される。メガーヌにEVが用意されるのは、今回が初めてだ。

◆ルノー日産三菱アライアンスが設計した「CMF-EV」プラットフォーム

CMF-EVは新世代のモジュラーEVプラットフォームだ。この新しいプラットフォームは、ルノー日産三菱アライアンスによって設計され、フランスと日本でのべ300万km以上にわたるテストを続けている。CMF-EVプラットフォームは、全高の低いサルーンから大型SUVまで、複数のボディタイプに対応し、さまざまな容量のモジュラーバッテリーを垂直方向と水平方向に取り付けることができる。

CMF-EVプラットフォームでは、フラットなフロアを実現する。排気システムやトランスミッションがないため、インテリアの実用性とモジュール性が向上し、より用途の広いキャビンのためのスペースが確保されているという。

最大2770mmのホイールベースを取ることができ、より大容量のバッテリーと、より長い航続を備えたEVを実現する。車両の床下に搭載されたスリムなバッテリーは、低重心を可能にする。新設計のバッテリーは車両の構造として機能し、側面衝突の場合には、衝撃を吸収する効果を発揮するという。

バッテリーのサイズは、ボディタイプによって変更できる。たとえば、コンパクトカーは、航続の拡大とエネルギー効率の向上による高効率を維持しながら、バッテリーをコンパクトにすることが可能だ。

◆モーターは最大出力217hp

メガーヌeビジョンの市販版が、メガーヌE-TECHエレクトリックとなる。メガーヌE-TECHエレクトリックのEVパワートレインの電気モーターは、最大出力217hpを引き出す。

バッテリーは蓄電容量が60kWh。1回の充電での航続は、最大450km(WLTPサイクル)を確保している。スリムなヘッドライト&テールランプ、最新のデジタルコックピットが採用される。

ルノーグループはCO2排出量を削減する取り組みの一環として、2040年に欧州で、2050年に全世界で、カーボンニュートラルを達成することを目標に掲げている。この目標の達成に向けて、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車の販売台数をさらに増やす。ルノーブランドの欧州新車販売に占める電動車の割合を2025年までに65%、2030年には90%に引き上げることを目指している。

ルノー、ダチア、アルピーヌ、ラーダの4ブランドに関しては、現在よりもアイデンティティとポジショニングを明確にする。4ブランド合計で、2025年までに24の新型車を発売し、その半分はC/Dセグメント車とする。また、少なくとも7車種はフルEVとする計画で、2025年までに電動化の分野におけるリーダーを目指す。

◆30台のプロトタイプが今夏から公道走行テストを開始する予定

ルノーメガーヌのEV、メガーヌE-TECHエレクトリックは、この7車種のフルEVのうちの1台となる。AセグメントEVの『トゥインゴE-TECHエレクトリック』、BセグメントベストセラーEVの『ゾエ』に続いて、C セグメントにメガーヌE-TECHエレクトリックを投入することにより、乗用フルEVのラインナップを充実させるという。

ルノーは、30台のメガーヌE-TECHエレクトリックのプロトタイプを製作し、今夏から公道走行テストを開始する予定だ。この時、最終的なシルエットが明らかになるという。

なお、ルノーのフランス・ドゥエー工場で製作されたプロトタイプは、ルノーのマークを意匠に用いたカモフラージュで車体を覆っている。

《森脇稔》

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