【VW ゴルフ 新型試乗】“7”の文脈を色濃く引き継いだスタイルと走り…島崎七生人

新旧『ゴルフ』意外なサイズの違い

完全に世代が新しくなったインテリア

“7”の文脈を色濃く引き継いだ走り

VW ゴルフ 新型(eTSI Active)
VW ゴルフ 新型(eTSI Active)全 18 枚

新旧『ゴルフ』意外なサイズの違い

“8(新型)”と“7(最終型)”のサイズ比較は興味深い。全長こそ“8”が30mm長いが、全幅(ー10mm)、全高(ー5mm)、さらにホイールベース(ー15mm)まで、“7”より“8”は小さくなっている。Cd値は0.3から0.275に低減できたという。

見た目のサイズ感はほぼ同じで、さらに言えば、前後のデザインを除くと、サイドビューなど「窓ガラスは一緒でしょ?」と思えてしまうほど。念のために自分で撮った同じアングルの新旧『ゴルフ』のサイドビューの写真を手元のiMacの画面上に並べて確認したほど。

VW ゴルフ 新型(eTSI Active)VW ゴルフ 新型(eTSI Active)
しかしなるほどよく見ればシンボルの太い平仮名の“く”の字型Cピラーはより内角が小さく、おそらく線図を重ねれば一目瞭然だろうが、窓回りの形状は違っている。スクープ写真では「ええっ!?」と思わせられた顔回りのデザインへの先入観も、実車に暫く接し、カメラのファインダーを覗いて撮影を始めた頃には忘れられた。

試乗車は新型の訴求色でもある「ライムイエローメタリック」。先代の最終型にあったターメリックイエローメタリックがカラシ色だったのに対し新型のそれはウグイス色で、色味がなかり違うことは実車を見てわかった。

完全に世代が新しくなったインテリア

VW ゴルフ 新型(eTSI Active)VW ゴルフ 新型(eTSI Active)
インテリアは完全に世代が新しくなったことを実感する。とくにインパネはデジタルメータークラスターと、中央にインフォテオイメントシステム用の10インチのタッチスクリーンを据えた今どきのデザインに。資料には“直感的に理解可能なデジタルワールド”と書かれていたが、ライト類までタッチ式の専用パネルになり、レクチャーを受けずに試乗車をスタートさせたら、いざ操作しようとした際にどうすればよいか自信がもてなかった。

タッチ&スライド方式の操作方法も、(運転中とは言わないが)やりやすさの点で、まだ上質な操作感の物理スイッチのほうが個人的には馴染める。シフトセレクターはついにレバー状からスイッチ状になったが、ポジションは前方からP(ボタン)・R・N・D/Sと誤操作を誘発しにくい配列で、セレクターの操作感も適度な重みがあるから“タメ”を作りながらの操作スピードに適していて、乗れば直ちに馴染める。

後席も近年の『ゴルフ』らしいゆとりのあるスペースと自然な着座姿勢でいい。座面高と背もたれの角度がいずれも適切で、長時間でも疲れなさそうだ。

VW ゴルフ 新型(eTSI Active)VW ゴルフ 新型(eTSI Active)

“7”の文脈を色濃く引き継いだ走り

走りも、スタイル同様、まさに“7”の文脈を色濃く引き継いだ印象。ただしBSG(ベルト・スターター・ジェネレーター=9.4kW/62Nm)の採用で、軽快でスムースな動力性能が発揮されている。日本仕様でまず登場したのは1リットルの3気筒eTSIと1.5リットルの4気筒eTSIから。

試乗車の「eTSI Active」は1リットルの3気筒(110ps/200Nm)だが、BSGがエンジン始動、回生、アシストをしてくれることで、スッとストレスのない出足に始まり、ターボとの連携もあり、1リットルの3気筒を意識させない洗練されたマナーを披露してくれ、実に乗りやすいクルマに仕上げられている。

VW ゴルフ 新型(eTSI Active)VW ゴルフ 新型(eTSI Active)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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