ポルシェのコネクト「PCM」、第6世代に…今夏から欧州で

グーグル「Android Auto」に対応

ワイヤレスのApple「CarPlay」にも対応

「ハイ・ポルシェ」と呼びかけて音声アシスト起動

ナビシステムのルート計算を高速化

『タイカン』のデジタル機能を燃焼エンジン車にも拡大

ポルシェの「PCM 6.0」
ポルシェの「PCM 6.0」全 6 枚

ポルシェ(Porsche)は6月18日、「ポルシェ・コミュニケーション・マネージメントシステム」(PCM)の第6世代バージョン、「PCM 6.0」を欧州で発表した。今夏から、欧州で販売されるポルシェ『911』、『カイエン』、『パナメーラ』に搭載される予定だ。

グーグル「Android Auto」に対応

PCM 6.0には、グーグル(Google)の「Android Auto」が採用された。これにより、従来からのApple「iPhone」に加えて、グーグルのAndroidのオペレーティングシステム(OS)を搭載したスマートフォンも、ポルシェのインフォテインメントシステムに接続し、画面を共有できるようになった。これは、USBケーブルによって、車両にスマートフォンを接続すると、すぐに起動する。スマートフォンの通話機能やスマートフォンアプリを、PCM 6.0を通じて操作できる。

「Apple Music」のユーザーは、広告なしで7500万曲以上、編集により厳選された何千ものプレイリスト、Apple Musicで放送されているすべてのアーティストを含めた世界の音楽セレクションにアクセスできる。ポルシェの3年間無料の車内インターネット接続を通じて、「Apple Music Hits」や、「Apple Music Country」のグローバルライブストリームラジオ局も視聴できる。

ワイヤレスのApple「CarPlay」にも対応

ドライバーは、「Apple Podcasts」の何百万もの無料番組にアクセスできる。「ポルシェ・コネクト・アプリ」またはオンラインの「マイ・ポルシェ」を通じて、「AppleID」を車両にリンクさせることにより、サービスを利用できるようになる。

オーディオコンテンツを聴くだけでなく、ポルシェのインフォテインメントシステムにApple MusicとApple Podcastが組み込まれた。Apple Musicが車載化されているため、ドライバーはラジオで聞いた曲をApple Musicライブラリに追加できる。ドライバーがラジオで特定のアーティストを気に入った場合、そのアーティストだけを再生するカスタムApple Musicステーションに切り替えることも可能だ。

新しいPCM 6.0を搭載したポルシェ車は、ワイヤレスのApple「CarPlay」にも対応する。ドライバーはiPhoneをワイヤレスで接続し、目的地へのルート情報を取得したり、電話をかけたり、メッセージを送受信したり、タッチスクリーンディスプレイをタップしたり、音声コントロール「Siri」を利用して音楽やポッドキャストを聴くことができる。

「ハイ・ポルシェ」と呼びかけて音声アシスト起動

PCM 6.0では、「ハイ・ポルシェ」と呼びかけることにより、音声アシスタントの「Voice Pilot」が起動する。ドライバーがステアリングホイールから手を離したり、前方から視線をそらしたりすることなく、車両に適切な指示を出すことが可能になった。

たとえば、「ガソリンを給油したい」とドライバーが言えば、ナビゲーションシステムが最寄りのガソリンスタンドへのルートを案内してくれる。「寒い」と言えば、空調の温度設定を自動的に変更してくれる。マッサージシートとアンビエント照明も同様に、音声でコントロールできる。Voice Pilotは常にオンライン状態になっており、新しいフレーズを継続的に学習する。時間の経過とともに、システムは改善を続け、ドライバーにさらに多くのサポートを提供するという。

ナビシステムのルート計算を高速化

PCM 6.0の新しいハードウェアとソフトウェアにより、ナビゲーションシステムはリアルタイムの交通情報を考慮しながら、ルート計算がさらに高速になった。より分かりやすく設計されたマップビューも、高速化に貢献している。

リアルタイムの交通データを反映して、地図上の道路は交通状況に応じて異なる色で表示される。ルートモニターを使用すると、関連するすべての情報にすばやくアクセスでき、ルート沿いの渋滞などが分かりやすく表示される。ポルシェナビゲーションシステムには、各車線の交通情報も表示できる。

『タイカン』のデジタル機能を燃焼エンジン車にも拡大

PCM 6.0により、ポルシェはEVスポーツカーの『タイカン』のデジタル機能を、燃焼エンジン搭載車にも拡大展開する。

たとえば、車両の操作マニュアルがシステムに組み込まれ、スマートフォンのカレンダーエントリーが、ポルシェ・コネクト・アプリを通じて、PCM 6.0タッチスクリーンに表示される。また、車両とスマートフォンがBluetooth接続されている場合、ドライバーはカレンダーサービスを使用して、テレビ電話会議にアクセスできる。

また、PCM 6.0は、インフォテインメントシステムのソフトウェアアップデートを、ワイヤレスの無線通信によって車両にダウンロードできる、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. もしも「タイプ992」が初代911をオマージュした世界線だったら…? ウクライナのデザイナーが再解釈
  2. 「ベントレー史上最大のデザイン革命」初のコンセプトEVは、全長5m超えの3名乗りクーペ
  3. 「鈴鹿8耐」最注目のヤマハ車は完全新作の『YZF-R9』! 150万円を切るなら「ブレイクの予感」しかない
  4. バイクの外観を損ねない!超強力マグネットのスマホホルダー「フリークマウント2.0」に新色5色
  5. まさに水上のスポーツカー!ブラバスの「電動ジェットボード」登場、世界77台限定で340万円
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  4. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る