赤羽一嘉国土交通大臣は7月2日に開かれた定例会見で、三菱電機の鉄道車両装置に関する検査不正について記者の質問に答えた。
三菱電機では、6月14日に空調装置の検査不正、さらに6月28日には空気圧縮機(コンプレッサー)の検査不正が発覚し、7月2日には杉山武史社長がそれらの責任を負い、辞任の意向を示している。
また、7月5日には「鉄道車両用空調装置等の不適切検査問題を厳粛に受け止め」として、調査委員会の調査結果が判明する9月まで、柵山正樹会長の経団連副会長としての活動自粛が発表されている。
これら一連の検査不正について赤羽大臣は、空調装置のみならず、ブレーキにも使用するコンプレッサーにまで不正があったことについて「大変遺憾」とし、その検査不正が公表された6月30日、事実関係と原因の調査を行ない、その結果を速やかに報告することを三菱電機に指示したとしている。
不適切検査の対象。装置自体については、国土交通省が車両の供用開始時に鉄道事業法に基づく安全確認を行なっており、事故などの報告もないとはいえ、鉄道局から各鉄道事業者に対しては、より入念なコンプレッサーの点検と不具合が確認された際の速やかな報告が指示されたという。
加えて赤羽大臣は「これら装置以外にも不適切な事案がなかったかも含め、安全面を中心に詳細な報告を求めるとともに、その結果を踏まえて必要な対応を検討していきたいと思います」と述べ、三菱電機に対して安全に揺るぎがないよう厳しく対応する意向を示した。