【ヤマハ MT-09 試乗】価格から想定する完成度の「さらに上」を行く…鈴木大五郎

フレームもエンジンもほぼ全てを新設計

価格から想定する完成度の上を行く満足度

走ることにピュアなマシン

ヤマハ MT-09
ヤマハ MT-09全 25 枚

フレームもエンジンもほぼ全てを新設計

ヤマハ MT-09ヤマハ MT-09
並列3気筒エンジンを搭載したスポーツネイキッドマシン『MT-09』の登場は2013年。3気筒という特殊性だけでなく、ネイキッドモデルとモタードマシンの融合といった独自性を打ち出し、そのポジションを築き上げることに成功した。

【画像全25枚】

特異なライディングポジションとともに、想像以上のパワフルさもあって、ややじゃじゃ馬なマシンの印象もあった初代MT。

それはとてもエキサイティングで面白いマシンではあったものの、ないものねだりの声…つまり、より高い質感や装備を求める声も周りからは聞こえたりもした。

2017年に発表された2代目はよりスタイリッシュなデザインとしつつ、装備も走りもアップグレード。翌年には上級仕様となる「SP」もラインナップに加えられた。

そして今回のモデルチェンジでは、フレームもエンジンもほぼ全てを新設計しており、さらなる質感と走りの向上を果たしていたのである。

価格から想定する完成度の上を行く満足度

ヤマハ MT-09ヤマハ MT-09
新型となったフレームは剛性もディメンションも刷新。やや特殊だったライディングポジションがオーソドックスとなった恩恵もあるだろう。コーナーでの接地感。そして身体を預けていける安心感が高まっている。

ハンドリングの軽快さは従来モデルでも大きな特徴であったが、よりフロント周りのしっかり感を身に付けている。それでいて重さを感じさせないのは新たに採用された軽量ホイールの恩恵も大きいだろう。

ストリートレベルでの走行では軽快さや自由度の高さに貢献しているSTD(スタンダード)モデルの足回りであるが、ハードに攻め込むとややバタつく印象もある。そんなライダーにはSPバージョンがおすすめである。

ヤマハ MT-09 SPヤマハ MT-09 SP
フロントフォークにはDLCコーティングが施されたKYB製のフルアジャスタブル。そしてリヤにはフルアジャスタブルのオーリンズ製ショックを装着。

コーナー進入時。旋回時にグッと荷重がかかった場面でしっとりと落ち着きが増し、立ち上がりでもより大胆にスロットルを開けていくことを許容する。

独自に開発した6軸IMUを装備することで、トラクションコントロールの介入も非常に細かくスムーズとなっており、価格から想定する完成度の上を行く満足度を与えてくれる。

排気量が拡大されたエンジンはユーロ5に適合しつつ、よりパワフルかつトルクフルである。そのうえで、アクセル開けはじめのギクシャク感も減り、スムーズになった印象だ。

ヤマハ MT-09ヤマハ MT-09

走ることにピュアなマシン

ライディングモードによってエンジンキャラクターがハッキリ個性を主張するわかりやすさにも磨きがかけられている。

じゃじゃ馬の姿を完全に消し去るモード4はMTらしからぬ穏やかさとなり、ビッグバイクビギナーにもすんなり受け入れられるキャラクターに。しかし最もアグレッシブなモード1を選択すれば、やはりあの09らしい、開ければアクセルのみでフロントを軽々持ち上げていくパワフルさを披露してくれる。

ヤマハ MT-09 SPヤマハ MT-09 SP
ウィリーコントロールも秀逸で、介入度を低めの設定にすれば、介入時にいきなりフロントホイールが落ちてしまうような唐突さはなく、完成度の高さをここでも感じる。

ちなみに、モード4以外の最高出力は全て同じであるが、エンジン特性や電子制御の介入具合が変更され、マシンの印象を何通りも味わえるのである。

スポーツネイキッドマシンとして、単純に優れた走行性能を求めたマシンではなく、ファンな部分を大切にしているマシンという印象が強かったMT-09。新型はその美点をそのままに、安心感や操作性を高めることに成功しているが、やはりそのマインドは不変。

走ることに非常にピュアなマシンということをあらためて感じさせてくれたのであった。

ヤマハ MT-09 SPと鈴木大五郎氏ヤマハ MT-09 SPと鈴木大五郎氏

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
ハンドリング:★★★★
扱いやすさ:★★★★
快適性:★★★
オススメ度:★★★★

鈴木大五郎|モーターサイクルジャーナリスト
AMAスーパーバイクや鈴鹿8耐参戦など、レース畑のバックボーンをもつモーターサイクルジャーナリスト。1998年よりテスター業を開始し、これまで数百台に渡るマシンをテスト。現在はBMWモトラッドの公認インストラクターをはじめ、様々なメーカーやイベントでスクールを行なう。スポーツライディングの基礎の習得を目指すBKライディングスクール、ダートトラックの技術をベースにスキルアップを目指すBKスライディングスクールを主宰。

《鈴木大五郎》

鈴木大五郎

AMAスーパーバイクや鈴鹿8耐参戦など、レース畑のバックボーンをもつモーターサイクルジャーナリスト。1998年よりテスター業を開始し、これまで数百台に渡るマシンをテスト。現在はBMWモトラッドの公認インストラクターをはじめ、様々なメーカーやイベントでスクールを行なう。スポーツライディングの基礎の習得を目指すBKライディングスクール、ダートトラックの技術をベースにスキルアップを目指すBKスライディングスクールを主宰。

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