BMWの新世代EV『iX』、量産開始…航続は630km

「xDrive50」のツインモーターは最大出力523hp

前面空気抵抗を示すCd値は0.25

5シリーズや7シリーズと同じラインで生産

ドイツ・ディンゴルフィン工場で量産を開始したBMW iX
ドイツ・ディンゴルフィン工場で量産を開始したBMW iX全 15 枚

BMWグループ(BMW Group)は7月2日、新世代EVの『iX』の量産を、ドイツ・バイエルン州のディンゴルフィン工場で開始した、と発表した。

iXは、クロスオーバーEVで、BMWグループの新開発プラットフォームをベースにした最初のモデルとなる。BMW iXは、成功を収めている「スポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)」コンセプトを、サステイナビリティやインテリアの広さなどに焦点を当てて、再定義したという。全長と全幅はBMW 『X5』と同等で、全高はBMW 『X6』と同等、ホイールサイズはBMW 『X7』と同じとし、力強いプロポーションを追求した。

「xDrive50」のツインモーターは最大出力523hp

iXには、第5世代の「BMW eDrive」テクノロジーが搭載される。モーターは、フロントアクスルとリアアクスルに搭載された。まずは、「xDrive50」と「xDrive40」の2グレードが設定される。xDrive50の場合、最大出力は523hpで、最大トルクは78kgmを引き出す。0~100km/h加速は4.6秒で駆け抜ける。xDrive40の場合、最大出力は326hp、最大トルクは64.2kgmとなり、0~100km/h加速6.1秒の性能を発揮する。

バッテリーの蓄電容量は、xDrive50が105.2kWh、xDrive40が71kWh。1回の充電での航続(WLTPサイクル)は、xDrive50が最大630km、xDrive40が最大425kmとなる。

iXでは新しい充電技術により、高い充電出力でDC(直流)急速充電できる。xDrive50は最大出力200kWで急速充電できる。およそ35分でバッテリー容量の80%を充電することが可能だ。10分の急速充電で、xDrive50は最大で150km走行分のバッテリー容量を充電できる。xDrive40は最大出力150kWで急速充電できる。31分でバッテリー容量の80%を充電することが可能だ。10分の急速充電で、xDrive40はおよそ95km走行分のバッテリー容量を充電できる。

前面空気抵抗を示すCd値は0.25

iXの外装は、キャラクターラインを減らし、ゆったりとした形状の表面によって、迫力のあるボディデザインを構成した。サイドウインドウはフレームレス。テールゲートには分割ジョイントがなく、リアの幅一杯に広がっている。

フロントには、垂直でほぼ全面的に囲い込まれたキドニーグリルを装着した。このグリル内には、センサー、カメラ、レーダーテクノロジーが組み込まれており、インテリジェンスパネルの役割を果たす。

アルミスペースフレーム構造とカーボンケージによるインテリジェントな軽量設計と、最適化されたエアロダイナミクスが、効率を高め航続を延ばすことを可能にしたという。前後とアンダーフロア、ホイールにターゲットを絞ったエアロダイナミクス対策により、前面空気抵抗を示すCd値は0.25を達成する。オプションで21インチまたは22インチの「エア・パフォーマンス・ホイール」が用意されている。

5シリーズや7シリーズと同じラインで生産

BMWグループは、このiXの量産を、ドイツ・バイエルン州ディンゴルフィン工場で開始した。iXは『5シリーズ』、『7シリーズ』、『8シリーズ』と同じ製造ラインで、組み立てられている。iXの生産に対応するために、ディンゴルフィン工場の組み立てラインは拡張され、アップデートされた。BMWグループは、ディンゴルフィン工場でiXを製造するために、合計4億ユーロ以上を投資している。

BMW iXの第5世代のBMW eDriveテクノロジーのバッテリーや電動アクスルは、ディンゴルフィンのコンポーネント工場で生産されている。同工場の生産能力は拡大されており、2022年から50万台以上の電動車両用のeDriveを生産できるようになるという。

iXや他のプラグインハイブリッド車(PHV)を含めて、BMWグループは2020年と比較して、2021年に生産される電動車両の割合を2倍に増やす計画だ。2020年代の半ばまでに、ディンゴルフィンで生産される車両の半分が電動化される。BMW iXの後には、今秋からミュンヘン工場において、BMW i4 の生産を開始する予定。2022年の終わりに、BMWグループのすべてのドイツの工場が、少なくとも1台のフルEVを生産することになる、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 15歳から運転できる「小さいオペル」に興味アリ!「通勤用にこういうのでいいんだよ」など注目集まる
  3. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  4. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  5. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る