【VW ゴルフ 新型試乗】「GTI」の登場にも期待せずにいられない…九島辰也

新型のアイデンティティはヘッドライトユニットとグリル

マイルドハイブリッドによって力強くスタートを実現

R-Lineは余裕を感じるパワー感

GTIの登場にも期待

VW ゴルフ 新型(eTSI R-Line)
VW ゴルフ 新型(eTSI R-Line)全 23 枚

新型のアイデンティティはヘッドライトユニットとグリル

VW ゴルフ 新型(eTSI アクティブ)VW ゴルフ 新型(eTSI アクティブ)
8世代目となる新型『ゴルフ』のテーマは3つ。デジタル化、電動化、そしてドライブアシストの充実である。どれも時代に沿った内容であるのは言わずもがなだ。

デザインはどうかというと、まさに正常進化。オーセンティックな2ボックススタイルに太いCピラーというセオリーは踏襲された。新型のアイデンティティはヘッドライトユニットとグリルあたりだろう。LEDユニットが強調される今時のものとなった。とはいえ、通説を守りながら空気抵抗値を低減させているのは素晴らしい。デザイナーの意地が見える。

パワートレーンは2通りで、1リットル直3ターボと1.5リットル直4ターボとなる。トピックスはどちらも48V(ボルト)マイルドハイブリッドで、始動、回生、アシストをする。ベルトスタータージェネレーター搭載だ。

マイルドハイブリッドによって力強くスタートを実現

VW ゴルフ 新型(eTSI アクティブ)VW ゴルフ 新型(eTSI アクティブ)
さっそく走った印象に移ろう。 まず、1リットルの『eTSI Active』だが、マイルドハイブリッドの恩恵で、走り出しから小排気量であることを感じさせないくらい力強くスタートする。回転をそれほど上げることなくスーッと上品に走り出す感じだ。街中でこれを不満に思うシチュエーションは滅多になさそうだ。考えてみれば1310kgという車両重量も関係しているだろう。軽量化もちゃんと行われている。

ただ、試乗会が御殿場だったので、上りのワインディングでは正直「モアパワー!」と叫びたくなった。自然とアクセルの踏み方が雑になるのは否めない。が、それを解消する方法を途中で気づいた。シフトノブをDモードからSモードにすると不満は80%消滅する。

しかも、その時のシフトチェンジのプログラミングが絶妙で、いい感じに回転数を上まで引っ張りながらひとつひとつのギアをしっかり使い切る。この辺のリニアな加速とドライブフィールは最高。ゴルフらしいイメージが蘇る。まさにクルマ好きがクルマ好きのために作っているようだ。

R-Lineは余裕を感じるパワー感

VW ゴルフ 新型(eTSI R-Line)VW ゴルフ 新型(eTSI R-Line)
これに対し1.5リットルの『eTSI R-Line』は余裕を感じた。通常の1.5リットルエンジンの感覚ではなく、1.8リットル直4の自然吸気ユニットを操っている気分だ。ワインディングをヒラリヒラリと駆るには問題ないパワーだろう。

ついでに記すると、この2モデルはリアサスペンションの形式が異なる。1リットルがトーションビームで、もう一方がマルチリンクだ。要するに、後者の方がお金がかかっている。が、実際に走るとこのトーションビームは良くできていると思えた。ストロークが短く感じたり跳ねたりすることはない。

ある程度の領域まではしなやかさも得られる。それでも、ワインディングを結構なスピードで抜けようとすると、少し雑味が見えてくる。当たりが硬く、ちょっとだけ頼りなさも顔を出す。

その点においてはマルチリンクはどこまでも頼り甲斐はあると言えるだろう。コーナリングではリアのスタビリティの高さがダイレクトに伝わってくる。

VW ゴルフ 新型「eTSI アクティブ」のリアタイヤVW ゴルフ 新型「eTSI アクティブ」のリアタイヤ

GTIの登場にも期待

それでも個人的には1リットルエンジンのトーションビームの方が好みだ。少しばかりピーキーな方が走っていて楽しいし、乗り心地も16インチタイヤとのマッチングがいいのか、快適であった。それに値段もアフォーダブル。でも、期待したいのは「GTI」の登場。歴代ゴルフでも憧れのグレードだ。これからドッとラインナップが拡大されるゴルフ。どれがベストバイなのかまだまだ結論は出せない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身。

《九島辰也》

九島辰也

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

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